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Channel: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿
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公立高校の甲子園

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 高校野球検定初級(中級不合格)の高橋です。いつもは法律に絡む話をしますが,今回はとして高校野球の話をします。

 

 夏の甲子園の大阪大会決勝で,大阪府立大冠(おおかんむり)高校が大阪桐蔭高校と熱戦を演じました。約30年前に分校として設置されたこの高校は,破壊力ある打線で,選抜優勝校を最後まで追い詰めました。中村紀洋選手を擁した平成2年の渋谷(しぶたに)高校以来の公立高校の大阪の夏の代表まであと一歩でした。

 

 1970年頃の「私学7強」(浪商,明星,興国,北陽,大鉄,PL学園,近大附属),その後の上宮,大阪桐蔭,履正社などがひしめく大阪で,公立高校の甲子園出場は至難の業です。しかし,終戦直後は公立高校も強かったのです。春の選抜では,昭和24年に北野高校が芦屋高校を破って優勝しました。議員定数違憲訴訟などに取り組んだ大阪弁護士会の故山本次郎弁護士はその中心選手でした。生前は,一死満塁のサヨナラのピンチに北野高校のレフトがライナーを捕球してセカンドに投げてダブルプレー,といった話などをよくしておられたようです。昭和27年の夏には,八尾高校の木村保投手(元阪神)が,予選から本大会の準決勝まで全て完封という史上初の記録で勝ち進みましたが,決勝では芦屋高校に雪辱されました。

 

 当時は全国でも公立高校が強かったのです。戦後25年間の夏の決勝中,昭和39年(高知と早鞆)と45年(東海大相模とPL学園)以外は,どちらかが公立です。その後も,銚子商,習志野,簑島,池田などの活躍がありました。

 しかし,平成年間の夏の大会での公立高校の優勝は3回だけです。決勝で決勝満塁本塁打が飛び出す佐賀県勢(平成6年佐賀商業,19年佐賀北),「奇跡のバックホーム」で熊本工業を破った松山商業(平成8年)と,印象に残る優勝ばかりではあるのですが。準優勝校も,この熊本工業のほか,沖縄水産(2度)のみです。春の選抜に目を向けても,平成年間の公立高校の優勝は,阪神淡路大震災直後の観音寺中央(平成7年)と,現広島の今村投手を擁した長崎清峰(平成21年)のみです。四国と九州は公立高校健在,という感じです。ちなみに,「これまで春も夏も公立高校しか甲子園に出場したことがない都道府県はどこ?」という,高校野球ファンにとっては定番のクイズがありますが,皆さん,おわかりですか。

 

 私は私立高校も好きです。多くの才能がある選手の活躍を見ることも,そのような選手のプロ野球やメジャーリーグでの清澄を見るのも楽しみです。ただ,公立高校のあまり強くない野球部に所属していた私(しかも途中逃亡)としては,何年かに1度公立も優勝してくれたらな,という思いで高校野球を見ています。事務所から30分もあれば甲子園球場に着くのに,たいていは仕事をしながらテレビで,ですが。

 

 「スポーツ法学会」というものがあります。先日,ガンバ対セレッソの際の弁護士会のイベントの後の飲み会で,その学会の皆様にこのような知識を披露したら,呆れられたうえで,スカウトされかけました。でも,私は,このままマニアックな知識を蓄えて生きて行きたいと思っています。

 

*クイズの答えは徳島県です。


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