皆様は「事前復興計画」という言葉をご存知ですか。
法律上の用語ではありませんが、これは、大規模な震災の発生を想定して、万が一震災が発生した後に、どのような形で被災地を復興するかを、事前に自治体や住民が話し合って青写真を決めておこう、というものです。
特に昨今、関西では、南海トラフ地震を想定して、事前復興計画に取り組んでいる自治体があります。特に和歌山県は、県をあげて、県内の沿岸19市町村と連携して、事前復興計画の策定に乗り出しているとのことです。
事前復興計画の必要性は、東日本大震災において、如実に明らかになりました。被災した沿岸部に、まったく海を見ることができない、巨大な防潮堤が、住民の意見を殆ど反映しないまま、次々と出来上がってしまったのです。私も現地に視察に行きましたが、本当に住民の方がこのような防潮堤を望んだのだろうか?ということについては疑問無しとしませんでした。震災時に働く行政の力学、殊に予算取りを鑑みると、致し方ない面もあるのかもしれませんし、現場で働く公務員の皆さんは勿論必死で復興に当たっておられることと思います。しかし、上記の防潮堤問題を考えると、やはり、冷静なときに、復興の姿を思い描いておくことは必要だと考えます。
このような問題意識も持ちながら、来る2017年7月29日(土)に、事前復興計画を主たるテーマとして、和歌山市内で、近畿弁護士連合会公害対策・環境保全委員会の夏期研修会が開催される予定です(大阪弁護士会の公害対策・環境保全委員会自然保護部会も参加しております)。未だ詳細は未定ですが、どなたでも参加できますので、ご興味のある方は是非ご連絡を頂ければと思います。