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Channel: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿
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弁護士徒弟関係

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習い事や学校の恩師はもちろん、日々の些細なことも含め、人生には、その都度、自分を導いて下さる師匠がいますよね。

特に、武道や、日本文化、芸術などの分野には、師匠が存在し、弟子は、師匠から指導を受け、いずれ、自身も弟子を持ち、その教えを継承する。

 

弁護士にも、これに似た徒弟関係があります。

 

弁護士になると、既存の事務所に勤務し、事務所の経営者を師匠と仰ぎ、指導を受けながら、一人前の弁護士を目指します。

 

そこで、一人前になると、自分で、事務所を構えます。のれん分けや、許状のようなニュアンスでしょうか。

やがて、弁護士を雇い、弟子であった者が、師となります。

 

師匠にも師匠がおり、相撲会の一門ように、同門としての輪が広がって行きます。

 

書籍と六法で独学できる法律分野でさえ、こうした徒弟関係があり、書籍からは学べない多くを、この徒弟関係から学んで来ました。

 

これについて、内田樹さんが、上手く書かれていました。

以下、(内田樹『下流志向』より)

 

 **********

 

「師であることの条件」は「師を持っている」ことです。

人の師たることのできる唯一の条件はその人もまた誰かの弟子であったことがあるということです。

                 ~中略~

弟子として師に仕え、自分の能力を無限に超える存在とつながっているという感覚を持ったことがある。ある無限に続く長い流れの中の、自分は一つの環である。長い鎖の中のただ一つの環にすぎないのだけれど、自分がいなければ、その鎖はとぎれてしまうという自覚と強烈な使命感を抱いたことがある。そういう感覚を持っていることが師の唯一の条件だ、と。

弟子が師の技量を超えることなんかいくらでもあり得るわけです。そんなことあっても全然問題ではない。長い鎖の中には大きな環もあるし、小さな環もある。 二つ並んでいる環の後ろの方の環が大きいからといって、鎖そのものの連続性には少しも支障がない。

でも、弟子が「私は師匠を超えた」と言って、この鎖から脱落して、一つの環であることを止めたら、そこで何かが終わってしまう。

                  ~中略~

 年を取っていようが、体力が衰えようが、つねに自分とは違うもの、自分を超えるものに向けて開かれている。

                  ~中略~

 「俺は師よりも強い」という自信を得たときに(自分の中のどこかに外部へと続く) ドア を閉じてしまう。

 

 **********

 

 私の師匠、師匠の師匠、お会いするたびに、私が私自身を超えるものに向けて開かれた存在でいて下さることに、改めて、師匠の素晴らしさ、有り難さ、大切さが身にしみます。


知的財産管理技能士

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知的財産管理技能検定を受けに行ってきた。

 

この検定には,1級(特許専門業務),1級(コンテンツ専門業務),1級(ブランド専門業務),2級,3級があり,それぞれ学科試験と実務試験が用意されている。今回,私が受験したのは2級と3級である。

 

合格すると,「知的財産管理技能士」と名乗ることができ(名称は法律上独占が認められている),知的財産分野(特許,商標,著作権等)について,管理能力があることを(国家資格であるため)対外的に証明することができる。

弁護士であれば,(法律事務に含まれることから当然に)知的財産に関する業務についても行うことができるが,「弁護士」という肩書だけでは,顧客からみて,どの分野についての経験が豊富なのか,興味を持っているのかが分からない。この点,ホームページ等のプロフィール欄に「〇級知的財産管理技能士」と記載しておけば,知的財産分野に興味を持って取り組んでいることをアピールすることができるという訳である。

 

3級の受験生には実力試しや就職活動のためと思われる学生らしき若者たちも多かったが,2級となると,かなり年配の方もちらほらと見かけられ,所属企業や団体で受験を奨励しているのかなとも感じられた。

 

結果,無事合格となり,合格証書とともに,「知的財産管理技能士会のご案内」というチラシが送られてきた。年会費は1万円かかるが,知的財産に関するいろいろな情報が得られるようだったので,さっそく入会してみた。次は1級(コンテンツ専門業務)に挑戦してみたいと思っているが,合格率はかなり低いとのことなので,気長に何度も挑戦することになりそうだ。

 

平成29年8月現在,知的財産管理技能士の数は合計8万4154名であり,すでに様々な分野でその知識・技能を活かして活躍中とのことである。そのうちの1人として,今後も知的財産に関する知識・技能を研鑽していきたいと思っている。

過去から学ぶこと

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先月は8月ということで、NHKを主に戦争に関連する様々な番組が放映されていました。

 

その中でも印象深かったのは、「戦慄の記録 インパール」でした。

援蒋ルートの遮断を戦略目的として、日本軍が占領していたミャンマーからイギリスが支配していたインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦「インパール作戦」を描いた番組でした。

 

1 相手の戦力を無視した作戦

2 補給を全く考えない作戦

3 多大な損害については全く考えない作戦

4 作戦失敗を自覚しながらも作戦遂行し続ける上昇部の存在

といった特徴が番組の中では、様々な関係者の証言等から明らかにされ、日本軍の体質を浮き彫りにしていました。

 

そして、中でも驚きでしたのは、作戦失敗が明らかになり、そのことを指摘されながらも、作戦遂行し続けた上層部の存在と戦後も上層部はそのことに無自覚な状態が継続していたことでした。

 

人は自らの過ちを自覚した場合、それを改め、その状況の中で最善の策を探ることが必要であり、特に社会的指導者層にはそのことが求められているはずです。ところが、社会的指導者層ほど、その自らの過ちを自覚しても、そのことを直視せず、状況の悪化を放置するという傾向があることは古今東西、指摘されることですが、インパール作戦はそのことを如実に物語るものだったのです。

 

巨額国債の累積等、我が国が抱えている問題は深刻なものがありつつも、社会的指導者層はその実態を直視することを避け、今なお、その深刻な状況を放置し続けております。

 

インパール作戦で如実に出された実態は、決して、日本軍だけの問題だけではなく、現代日本社会にも深く潜んでいるように私には感じられます。

 

戦争という究極の状況を考察する中で、現代日本社会が抱えている様々な問題が浮き彫りになることは多々あると思います。毎年、この時期は色々と考えさせられます。

 

 

おかあさんといっしょスペシャルステージ2017in大阪

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昨年8月に独立開業し、1年がたちました。

独立前との違いは何と言っても、仕事のペースを自分でコントロールできるようになったことです。

週末はできるだけ仕事をせず、2歳になる娘と過ごす時間に充てています。

 

先日は、おかあさんといっしょスペシャルステージ2017in大阪に行ってきました。

しかも、ダブルヘッダーで。

 

午前、お昼過ぎ、夕方と3公演あるうち、私が行ったのは午前と夕方の2公演です。チケットの倍率が高い公演ですし、1日2公演観る猛者はそういないと思います。しかも、2公演ともスタンド席ではなく舞台に近いアリーナ席です。

 

別に私があつこお姉さんの熱烈なファンというわけではなく、諸般の事情により、1回目は1歳になる姪っ子を、2回目は娘を連れてのダブルヘッダーとなったのでした。

 

幼児向けと侮るなかれ、1時間公演で全24曲を歌い切ります。

 

ゆういちろうお兄さんの甘いマスク、

あつこお姉さんのキュートな仕草、

そして、

だいすけお兄さん扮するかぞえてんぐが登場した瞬間の、沸き立つ会場の熱気。

 

だいすけお兄さんの「ここにいるよ」を聴くころにはもう、私もすっかりだいすけワールドの虜です。

 

  「ここにいるよ」(抜粋)

    さみしいと いったら

    おひさまが わらってくれた

 

    かなしいといったら

    はっぱのてがみがとどいたよ

 

    ひとりじゃないんだね

    ……

    ぼくは ここにいるよ

    ……

    いつもいるよ

    きみのそばにいるよ

 

これだけの人の心を動かせるなんで、さぞかし気持ちいいだろうなぁ。

「おかあさんといっしょ」というコンテンツは、まさに「おかあさん」の支持によって成り立っているのだと、素直に感心しました。

 

「だいすけロス」を実感。

 

他方で、子供たちには1時間はやや長いようで、最後の15分間、姪っ子は膝の上で寝てしまい、娘もみょーんとのびきっていました。

 

だいすけお兄さんには敵いませんが、私も一弁護士として、目の前の依頼者の心を動かせる存在でありたいなと、改めて思った一日でした。

少年法の適用年齢は下げるべき?

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 初めての投稿です。

 

 今年度は「法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会」という噛まずに言うのが大変な委員会の副委員長を務めている関係で、ブロガーをさせていただくことになりましたが、弁護士登録から13年間に亘って携わっているのは「子どもの権利委員会」ですので、少年法適用年齢について投稿しようと思います。

 

 2015年の公職選挙法改正によって18歳以上に投票権が与えられたことなどを契機に、民法上の成人年齢や少年法の適用年齢なども同じく18歳に引き下げるべきではないかという観点から検討がなされています。

 

 少年法の適用年齢の引下げに関して、賛成・反対それぞれから様々な意見があるのは当然だと思いますが、「少年による凶悪犯罪が増加している」といった誤った認識・イメージが先行して議論が進むことには大きな危惧を覚えますし、日本弁護士連合会や大阪弁護士会でも少年法の適用年齢の引下げに反対する意見を出しています。

 

 少年事件に携わったことのある多くの弁護士は、「18歳・19歳であってもやはり可塑性があるなぁ」とか、「少年鑑別所での科学的な鑑別等をも踏まえた、家庭裁判所の調査官や裁判官による調査や教育的な働きかけや、少年院での各少年ごとの問題性に応じたきめ細やかな教育や援助などが、少年の更生や再犯防止などに非常に大きな効果を果たしているなぁ」といった実感を覚えたことがあるのではないかと思います。

 

 少し脱線しますが、先日担当することになった少年事件の少年(18歳の女性)に少年鑑別所で初めて接見したときに、緊張している感じだったので、少し解きほぐそうと思って、「弁護士ってどういうイメージ?」と聞いたら「頭よくて、なんか格好良いっていうイメージ。」と答えるので、続けて「実際に弁護士に会ってみてどう?」と聞いたら「微妙」って答えられました(笑)。「微妙ってなんやねん。微妙って。」って思わず突っ込みを入れた後に「まあ。最後まで頑張るわ。」と言いました。その少年事件の家裁での審判が終わって私への感想を改めて聞いたら、「微妙やったけど(笑)、まあ、一生懸命やってくれてありがとう。」と言われて、なんだか嬉しかったです。

 

 このエピソードを、少年の可塑性や、現在の少年法(家裁機能等)の良さの根拠につなげることにやや無理があることは自覚していますが、少年の可塑性や、現在の少年法(家裁機能等)の良さを十分踏まえた上で検討が進むことを期待したいと思いますし、実際にそのような形で検討が進むように私個人としてもできることを尽くしていきたいと考えています。

 

 投稿文章の適切な長さのイメージも湧かず、気付けば長文になってしまいました。最後まで読んでいただいた方、どうもありがとうございました!

 

観てから読むか、読んでから観るか

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  先に映画を観るか、先に原作を読むか。

  小説好きの私としては、2時間程度の映像は物足りないと思っていましたが、大昔、『ドグラ・マグラ』(原作・夢野久作)をどうやって映像化するんだと思いながら観たところ、故桂枝雀さんの演技などにすっかりやられてしまい、それからは小説とは別に、映画は映画なりのおもしろさがあると思うようになりました。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(原作・P・K・ディック)の映画版『ブレードランナー』も、映画だからこそのカッコ良さがあります。

  ちょっと前の『紙の月』(原作・角田光代)も、原作で繊細に描かれていた夫に対する主婦のわだかまりがどこまで出るかと思ったけれど、宮沢りえさん、良かったです。でも、結末はちょっと違う。なので、全体を通しても、映画と原作とは、ちょっと、違う。だいたい、札束が舞う中の宮沢りえさんという宣伝画像がステキ。私としては、小説には出てこない小林聡美さんの役柄がとても良かった。

  これもちょっと前ですが、『嗤う分身』という不思議な映画があり、原作の『二重人格』(原作・ドストエフスキー)を読んだところ、本当にまぁ、あの不気味な両極端な人格を、1人の役者さんが上手く演じてたよなぁと改めて感心しました。

  もっともっと昔の『太陽がいっぱい』(原作・P・ハイスミス)は、最近、小説を読んだのですが、基本的なラインは同じでも、映画と全然、違う。同じ作家の『キャロル』が映画化されて、少し前に話題になりましたが、この作品と同じく、『太陽がいっぱい』の原作にはそこはかとなくLGBTの「雰囲気」が漂う。映画『太陽がいっぱい』は、セクシャリティの部分をあまり出していないけれど、名作ですよね。

  そして『沈黙』(遠藤周作)です。映画がすごく良かった。チョイ役だけど片桐はいりさん、かわいい。宣教師役も良かった。出演者も結構、そうそうたるメンバーなんですよね。でも、何と言ってもキチジロー役、窪塚洋介さんですね。
そこで、中学時代に読んだ原作を、久々に読み返してみました。そうすると、へー、あのシーンも原作にあったのかぁというのが多く、いかに映画が原作に忠実に作られているかがよくわかります。もっとも、最後のシーンは監督が加えたものらしいですが。
ただ、漢文の素養のない私は、中学時代も今回も、最後の最後の文献が読みこなせなかった。どなたか、あのキチジローがどうなったのか、教えていただけませんか?

色々な経験

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初めまして。69期の弁護士の石川慧と申します。

 

9月になって暑さも和らぎ、夜になると涼しい日もありますね。

暑がりで汗っかきの私には非常に助かる季節です。

 

私は現在、家事法制委員会という委員会に所属しています。

家事法制委員会は基本的に月に一度開かれることになっており、私はできるだけ毎回参加するようにしています。

 

私が弁護士として働き始めたのが今年の1月からなので、委員会自体にはまだ数えるほどしか参加できていませんが、委員会の先生方にも顔を覚えてもらえたようで、こうして委員会の中からブロガー担当に選任され、このような場を借りてブログを投稿できることになりました。

 

また、家事法制委員会では、毎年10月下旬頃に司法修習生向けの研修プログラムを提供しており、そのプログラムの一つに離婚模擬調停というものがあります。

 

そこでも仕事を任せてもらえることになり、私は、離婚の法律相談をしに来た夫という役を担うことになりました。

まだ結婚の経験もない私に離婚相談しに来る夫役が務まるのかという不安もありますが、せっかく与えてもらった機会なので、楽しみながら、自分も勉強させてもらいたいと思っています。

 

このように少しずつですが、自分の仕事場以外の場所にも顔を出し、仕事を任されるようになることは非常にありがたく、貴重な経験になります。

 

事務所での業務に精一杯取り組むことはもちろんのこと、活動領域を広げ、色々な方と繋がりを持ち、多様な視点から物事を考えることのできる弁護士になれればと思っています。

滑舌

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去る9月11日に、MBSラジオ「弁護士の放課後ほな行こか~」(毎週月曜午後6時半OA)に出演させていただきました。

 

http://www.mbs1179.com/hona_p/1505058282.shtml

 

9月30日午後1時半からのシンポジウムの告知をかねて、成年年齢の引き下げに関する話題を木下裕一先生と一緒にお話させていただきました。

http://www.osakaben.or.jp/event/2017/2017_0930.php

 

これ、事前収録だったのですがとても緊張しました。

水野アナウンサーの問いかけに端的に答えなければという気持ちが強すぎて、収録後の事務所で「あぁぁぁぁぁぁぁ」と思い出しては悶絶していました。

 

大学で講義をしているときは、ペースを自分でコントロールすることができるので、事前に喋る原稿を用意すれば、あとははっきり、ゆっくりと喋ることを心がけるだけでいいのですが、掛け合いでしゃべるとなると「あれもしゃべらなきゃ」「これもしゃべらなきゃ」「あ、これしゃべるとわかりにくいかな」などなど色々頭に浮かんで、うまく口が回らなくなってしまいます。

 

それにしても、水野アナウンサーのしゃべりはさすがプロです。

本当に聞きやすくて、心地よい。

僕は滑舌があまりいいほうではないので、あこがれますね。

 

毎週月曜日午後6時半から、MBSラジオで水野アナウンサーのお声と、色々な弁護士の色々なお話がきける、大変面白い番組ですので、是非ご聴取ください。ポッドキャストでも聞けます。

 

 


来たれ,リーガル女子!の申込みが始まりました!

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既に,7月24日の本ブログでも石田法子弁護士が紹介していました

 

「来たれ,リーガル女子! ~女性の裁判官・検察官・弁護士の仕事と働き方って どんなんかな~」の申込みが,昨日9月27日から始まりました!

(申込みフォームはこちら

 

このシンポジウムは,内閣府,日弁連,近弁連,大阪大学等が共催で,

11月23日(祝・木)午後1時~午後5時に,

大阪大学豊中キャンパスで,

女子中高生向けに(男子学生も参加可能です)下記の充実したプログラム内容で実施されます。詳細はこちら

 

① 国連人権委員会委員長に日本人で初めて就任された林陽子弁護士の基調講演

② 裁判官,検察官,弁護士がそれぞれの仕事の魅力について話すパネルディスカッション

③ 学生の方にも一緒に考えてもらいながら進める模擬法廷での刑事模擬裁判

④ 女性法曹達が女子中高生に語りかけ,また少人数(学生10名程度を予定)のグループのため,学生側からも直接,仕事からプライベートのこと,司法試験,ロースクール等について聞くことができるグループセッション

  グループセッションは,国際,企業法務(企業内弁護士も含む),刑事,民事家事,労働,憲法・人権,医療・福祉,男女共同参画の複数のグループが設定されており,自分の興味のある分野で活躍している法曹の話を聞くことができます。

⑤ 同行される保護者,教員の方向けに,学生達が模擬法廷,グループセッションに参加している間,裁判官,検察官,弁護士,大学教員から,現在の司法試験,ロースクール,司法修習,各法曹等の現状に関する説明会を開催する予定です。

 

現役で活躍している多くの女性法曹達が,三権分立の一角である司法を担う未来の後輩達のために,仕事のみならず家庭との両立等についても語る内容となっているため,参加された学生の方にとって将来のキャリア,進路を具体的に考えることのできる貴重な機会になると思います。

 

このシンポに関わる法曹,学者の人数は,講師・スタッフを含め50人を超えています。

本企画は,昨年,関東地区早稲田大学で開催され,多くの学生にご参加いただき,大変好評でした。

 

本企画が近畿地区で開催されるのは初めてです。次に近畿地区で開催されるのは全くの未定です。

しかも,参加費は無料!

 

定員は,会場の都合上200名(学生は120名程度)までとなっており,グループセッションの希望グループは,先着順となりますので,お早めの申込みをお勧めします。申込みフォームはこちら

 

ぜひ,この機会をお見逃しなく!

 

当日,多くの皆様にお目にかかれることを楽しみにしています。

 

 

 

野球観戦

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野球観戦に行ってきた。

観戦したのは,9月27日に京セラドーム大阪で開催された,日本ハム対オリックスの試合である。

 

・・・とはいえ,私はそれほど野球のファンという訳でもなく,あえて言えば阪神ファンというくらいのものであり,両チームの選手をほとんど知らない。オリックスファンの友人から野球観戦に誘われ,「オリックスの株主カードを使って(優待価格で)安く観られるなら,行ってみますか。」みたいな感じのノリであった。

 

株主カードを利用する際には予約ができないのだが,友人いわく「オリックスの試合は空いているのでゆったり観戦できますよ。」という話だったし,私自身,4位と5位の試合なので予約席が満席になることはないだろうと高を括っていた。

しかし,日本ハムの先発が「ハンカチ王子」斎藤佑樹投手だったためか,大谷翔平選手目当ての客も多かったのか(?),内野席はかなり埋まっており,1塁側席(オリックス側)を並びで取ることができず,やむなく3塁側席(日本ハム側)で観戦することになった。

 

ファールボールが観客席に飛び込んだ後に「ファールボールにご注意下さい」というアナウンスが流れるのを聞いて(その他,グラウンドのネット際を歩いている人が注意喚起のプラカードを持って歩いてはいた)これで球団側は安全配慮義務を尽くしたといえるのかが気になったり(興味のある方は札幌高等裁判所平成28年05月20日判決をご参照下さい。),オリックスの選手が出塁したときに「イエーイ!」と言う友人が周りの観客からどう思われているのか気になったり,私が財布を出して待っているのにビールの売り子のおねえさんが素通りして行き自分にそこまで存在感がないのかと気になったり,伊藤光選手が電光掲示板に表示された際に伊藤園の広告が出ているのが狙ってやっていることなのかと気になったり,5回と7回に出てくるチアガールのハッスルダンスでHPが回復した気になったりしながらもゲームは淡々と進み,2対1でオリックスが1点リードのまま9回表(日本ハムの攻撃)2アウトランナーなしというところまできた。

 

バッターボックスには,偶然私と同じ苗字の横尾俊建選手。2ストライクまできて,「このまま終わりかな・・・。」と思って観ていたところ,ライトに上がった打球がホームランとなり,延長戦となりました。

 

結局,11回表に日本ハムの大田選手が勝ち越しのホームランを打ち,ゲームは3対2で日本ハムの勝利に。3塁側席は大盛り上がりになり,「こっち側で良かったなぁ・・・」としみじみと感じながら,試合終了後の「いいぞ,いいぞ,横尾!」という歓声が私に向けられたものではないとは知りつつも,良い気分になって,家路につきました。

おもてなしの心

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10月10日、もうすっかり秋ですねぇ、というべきところ、今年はまだ気温高めです。おかけで、未だ衣替えができていない我が家ではまだ夏服を着ることができるので助かります。

 

さて、秋はいろんな諸行事が重なり、時間的にも気分的にもあわただしく過ぎていきます。

 

10月5,6日と滋賀県大津市で日本弁護士連合会の第60回人権擁護大会が開かれました。全国から2千名近くの弁護士が集まり、人権課題を議論するという大会です。全国から集まるということで、これを機会に翌日から、地元の人間が幹事となり同窓会的な旅行が組まれることが多くあります。

 

というわけで、今年は近畿管内の私が幹事として、平成26年度日弁連正副会長会ご一同様の滋賀旅行を企画しました。

 

実は、私の夫は滋賀人です。観光の相談をしましたところ、「滋賀は琵琶湖の他は何もないで」という郷土愛のかけらもないというかおよそ滋賀観光大使にはなれないアドバイスをもらい、それを信じて「ぐるっと琵琶湖一周旅行」を企画しました。

 

途中近江八幡の水郷巡りと彦根城にはいきましたが、その他はただただ、琵琶湖をバスで回り、ホテルに泊まって普通の宴会料理という何のひねりもないある意味単調な企画です。

 

私は基本的に単身での気ままな旅が好きなので、こういう団体旅行の企画はあまりしたことがありません。幸い仲間たちは、「このような幹事の役目にはおよそ向いていない石田さんが頑張ってるという点でOK」とかいろいろ励ましてくれたので、これで良しと思っていました。

 

ところがです。2.3年前の日弁連正副会長会も同種の企画をし、やはり琵琶湖を回る旅をしたのですが、その内容は実に盛りだくさん。

 

比叡山延暦寺を参拝し、竹生島にも行き、長浜の町を散策し、湖西の国宝級の仏像を拝観し、庭園を楽しみ、彦根城と近江八幡水郷巡りと、なんと盛沢山にしてしかも余裕のある行程。

 

お宿も近江牛尽くしの食事と、滋賀でこれだけの充実したおもてなしができるとは。

むむむ、この企画の幹事役を務めた大阪弁護士会の元会長に完敗です。お見事です。これって絶対綿密な調査をし、もしかすると下見くらいしているのかなあ。

 

改めて私にはおもてなしの心がかけていると痛感した秋の日でした。

タチウオはお好きですか?

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10月に入り気温も下がって、「すっかり秋めいてきたなー」と思っていたら、先日の連休から気温がぐっと上昇して暑い日が続いていますね。

 

さて、前回、海事補佐人のお仕事について可能であればご報告致しますとブログに記載していましたが、残念ながら、業務内容に通じる部分もあるため、先方からブログへの記載はNGとのご連絡を頂きました。

ということで、今回は、私の趣味の話をしようかと思います。

 

私は、どちらかというと趣味が多い方で、インドア・アウトドア問わず色々な趣味をもっているのですが、その中でも、特に力を入れているのが釣りです。

 

もともと関西の著名な釣具店で7年間ほどアルバイトをしており、業務上の研修と(自分で勝手に)銘うっては、淡水海水問わず、釣行に行っていました。

 

そんな私が、一年で一番釣りに行く時期というのが秋です。

普段釣りをされない一般の方々からすると、釣りは夏休みというイメージが強いのかもしれませんが、神戸-大阪エリアにおいては、一番釣りものが多彩となるのが秋なのです。

 

神戸―大阪エリアで秋頃からシーズンを迎える釣りものとしては、

タチウオ、サゴシ(サワラ)ツバス(ハマチ)、アオリイカ、サヨリ、スズキ、カワハギ、マイワシ、アジ……といったところですね。

考えただけでお腹が空いてきますね。

 

これらの中でも、比較的に釣りやすい魚種というのがタチウオです。

大阪湾では、例年、初夏頃から和歌山で釣れはじめ、その後、神戸まで北上してきます。この間に、釣れるサイズは、「ベルトサイズ」「指2本」と言われる小型のものです。

タチウオの大きさは長さではなく、体高(幅)で呼称しますので、このような表現になります。

その後、真夏を迎える頃に、一度シーズンは終了し、秋頃から再び神戸周辺でハイシーズンが訪れます。ハイシーズン中のサイズは、「指3.5本」サイズから始まり、年明け1月頃には大きいもので、「指5本」、「ドラゴン」と呼ばれるサイズが釣れます。

 

ハイシーズン中のタチウオは、日中、神戸港沖の深場へ移動しており、日が落ちるともにエサを求めて、漁港内へ回遊してきます。

性格は獰猛で、エサやルアーが目の前を通れば間違いなくアタックしてきます。

 

タチウオ釣りで重要なことは、「地合いとタナを合わせる」ことです。

 

日が落ちて漁港内にやってきたタチウオたちは、その場にとどまらず、湾内をぐるぐる回遊しています。したがって、釣り場にいるときいないときがはっきりしており、いないときにいくら竿を出しても釣れません。タチウオが回遊してきたタイミングで竿出すこと、これが「地合いを合わせる」ということです。

私の経験上では、夕方から3、4時間に一回のペースで地合いが来ることが多いかなという感じですね。

「地合い」がきているかどうかは、周りの釣り人を見て判断します。周りが釣れていなければ、ご飯でも食べるなどゆっくり過ごしつつ、周りが釣れだしたら釣りに集中するという具合です。

 

また、タチウオは、泳いでいる位置(深さ)にもかなり敏感です。浅い位置を回遊している場合に、深い位置を狙ってもさっぱり釣れません。隣の方が釣れていて地合いは合っているはずなのに自分は釣れないというのは、「タナ」が合っていない証拠ですので、ウキ止めゴムを動かして深さを調整したり、ルアーを通す位置を変えてみると結果がでます。

 

陸からのタチウオ釣りの極意はこれだけです。

釣りのうまい下手は、たくさん釣れるかどうかの違いくらいにしか影響しません。

また、タチウオがアタックしてくると、エサやルアーにしっかりと歯形が残りますので、その釣り場にタチウオがいるのかいないのか、はっきりわかります。

簡単に釣れて、かつ、モチベーションも維持しやすいので、釣り初心者の方にもおすすめなのです。

 

せっかくのハイシーズン到来ですので、みなさんもタチウオ釣りにチャレンジしてみてはどうでしょうか?

 

タチウオの歯は鋭いので、釣り上げたあとは嚙まれないようにご注意くださいね。

 

あと、秋に釣れる釣りものとしては………

 

おっと、タチウオだけでかなり紙幅を割いてしまいましたね。

弁護士会のブログなのに釣りの話しかしてないので後で怒られそうな気もしますが、少しでもおもしろいというコメントを頂ければ続編にもチャレンジしてみましょうかね。

 

それでは!!

 

成年被後見の認知

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成年後見人は成年被後見人の法定代理人ですが、一般的に婚姻、離婚、認知などの身分行為については代理人として行うことができないとされています。

では、認知の承諾はどうでしょうか。

民法は、「成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。」(782条)とされていて、成人した子を認知して親子関係を生じさせようとするには、認知される側の承諾が必要とされています。

問題は、この子が成年被後見人で、認知の承諾をする意思能力がない場合です。

これについては、身分行為だから後見人ではできないかと思いきや、後見人において代理することが可能とされています。新版注釈民法(23)の352ページにおいても、「認知者が不要・相続上の利益を目的としているかどうかを判定する必要性があり、後見人がこれを判定して承諾することができると考える。」と記載されています。

実務上も、認知届のその他欄に成年後見人が認知を承諾する旨を記載して後見人の印鑑を押印し、成年後見登記を添付すれば受理されているようです。

身分的な側面があるとはいえ、財産に深く関係することからこのように解釈されているということですね。

 

西天満

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 弁護士会や大阪高等・地方裁判所の所在地の住所は,大阪市北区西天満です。

 

1978年に,それまで若松町,老松町,梅ヶ枝町,真砂町などと呼ばれていた地域が西天満になりました。弁護士事務所もたくさんあり,本日現在で調べてみたところ,4445人の大阪弁護士会の会員のうち,1886人がこの住所に事務所を置いていました。

 

弁護士事務所のほか,骨董品の街でもある西天満ですが,特に裁判所の北の老松通り周辺は,最近,グルメの街として俄然注目されています。

 

先日のABCテレビ「今ちゃんの『実は・・』」でも,この地区の3つの飲食店が紹介されていました。「ミシュランガイド」に紹介されている店も多く,2015年版では(2016年版が私の手元に見当たりませんでした・・・),大阪市北区で星がついた44の店舗のうち5つが西天満でした。隣接する北新地などで修行をした方々が独立する際に西天満を選ぶことも多いようで,新しい店も次々と開店しています。

 

近く発売される2017年版も楽しみです。これらのお店はいささか高級ですが,もっと身近で,ランチなどを楽しめる店もたくさんあります。おいしいものを楽しむために,ぜひ西天満にお越し下さい。弁護士会館の地下1階の「EN」のロールキャベツやオムライスもお勧めです。

 

城がある街の場合,裁判所は,城の周囲の官庁街に置かれることが一般的です。高裁ですと,札幌は別にしまして,東京,名古屋,広島,福岡,高松などは城のすぐそばです。仙台は,仙台城が大きいのでわかりにくいですが,「大手町」というお城の周囲であったことを示す地名の近くにあります。関西の地裁でも,例えば和歌山地裁は城山のすぐ下です。そういった裁判所は,官庁街にあるわけですから,周囲には食事をする店があまりないことが多いようです。

 

一方,大阪は,家庭裁判所は大阪城のすぐそばですが,高等・地方裁判所は城からかなり離れています。官庁街とは雰囲気も異なり,食事の場所には困りません。

 

先日,裁判所に詰めている若い司法記者の方が,「最近転勤して来たのですが,チェーン店がないのがちょっと困ります」と言っていました。確かに西天満には,国道1号線沿いを除き,そういう店はあまりありません。その代わり,個性的な飲食店が並んでいます。

 

もちろん,司法の街でもあります。今では1キロちょっと離れた福島区福島に移転した検察庁の建物も,以前は,現在の弁護士会館のところに建っていました。さらに,昭和39年までは,この裁判所の敷地の中に,裁判所の旧庁舎と並んで,大阪拘置所があり,そこで死刑も執行されていました。裁判所の周囲を歩きますと,敷地内の北西の端に,死刑囚を弔った小さな2つの塚があるのを見ることができます。

人と人をつなぐ「分身ロボット」

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11月22日,マイドーム大阪で開催された「OSAKAビジネスフェアものづくり展」に大阪弁護士会「中小企業支援センター」が出展者として参加しました。

今回は,大阪弁護士会知的財産委員会(中小企業支援センターと連携して知的財産権がらみのイベントに協力しています)の広報担当として,出展の様子等について当ブログでお伝えしようかと思っていたのですが,ステージで行われた吉藤オリィさんの特別講演の内容があまりにも素晴らしかったので,そのことについて書くことにしました(中小企業支援センターの皆さん,ごめんなさい!)。

 

吉藤オリィさんが代表取締役所長を務める株式会社オリィ研究所では,何らかの理由によって体が不自由になった人が社会の人と繋がることができなくなる孤独感を解消するための「分身ロボット」の研究,製品化等が行われている。

講演前,講演会場の入り口には「吉藤オリィ氏が昨日緊急入院したため,プログラムが変更になる」旨の張り紙があり,壇上には「分身ロボット」OriHimeがポツンと置かれ,「講演は急遽オリィ研究所の営業の方に代役をしてもらうことになりましたがご了承下さい」旨の申し訳なさそうなアナウンスも流れていた。「えぇっ!?楽しみにしていたのにな・・・」と思いながら始まるのを待っていたのだが,このことが,まるで仕組まれたシナリオであったかのような講演内容だった。

 

というのは,OriHimeは,病院で寝たきりになった患者さん等が,病院の外にいる人たちと遠隔操作によってコミュニケーションを取ることのできるロボットであり,営業の方のサポートは受けつつも,オリィさんがまるで会場に来ているかのような存在感を出すことができていたのである(気管支を悪くされていたようで,時折咳き込んでおられましたので相当無理はしていたようですが・・・)。

講演では,このブログでは書ききれないほどたくさんの感動的な話がありました。

 

「大切な人たちとともに大事な瞬間に立ち会うためには,その場に自分の肉体が存在していなければいけないのか?」

OriHimeを使えば,その場にいなくても,自分の「存在感」を(100%ではないとしても)遠隔地の相手に届けることができる。体が不自由でも,心が自由なら,ロボティクスの力を借りて社会と繋がることができる。人間の「存在」とは何なのかを考えさせられました。

 

「生きる意味は人と繋がることで生まれる。」

4歳のときに交通事故に遭って脊椎を損傷して人工呼吸器での生活を余儀なくされ,人生のほとんどの時間を病院で寝たきりで過ごすことになったが,OriHimeの力を借りてオリィさんのスケジュール管理等の仕事をし,オリィさんと共に講演会に参加してきた番田雄太さんの話(残念ながらお亡くなりになったとのことです)は来場者の心を打つものでした(私の隣に座っていた方の涙腺は崩壊していました)。

 

「豊かさとは何か。自分は死ぬまでに何ができるのか。」

OriHimeはユーザーの意見を取り入れながら改良を重ねて進化し,OriHime eyeは眼球の動きだけで操作ができるようです。ALS(筋委縮性側索硬化症:筋肉を動かす神経が麻痺していく難病で,「クイズダービー」の篠沢秀夫教授が罹患していたことでも話題になりました。)を発症して眼球しか動かせなくなっても,OriHimeの力を借りれば何かができる。絵を描くこともできる。

 

年間70~80人のALS患者の方々と会い,孤独を解消するための活動等をしているというオリィさんの話を聞いて,私も公益活動等を通じ,死ぬまでに少しでも社会に貢献できるよう頑張りたいと感じました。


大塩平八郎の乱

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弁護士の仕事をしていると,文献をコピーするために図書館へ行くことが時々あります。

先日も,文献をコピーするために大阪市中央図書館へ行ってきました。文献のコピーを終えた後,図書館の中を歩き回っていると,「大塩平八郎の乱 180年」というコーナーを見つけました。

ご承知のとおり,大塩平八郎の乱は大坂東町奉行の元与力・大塩平八郎が起こした騒乱で,発生したのは180年前の天保8(西暦1837年)だそうです。大阪弁護士会館の近くが騒乱の現場ですので,今日は「大塩平八郎の乱」について書くことにしました。大塩平八郎の紹介,騒乱の経過,さいごに現行法と大塩平八郎の乱について書いてみようと思います。

 

まず,当の「大塩平八郎」について。

彼は乱の7年前(文政13年,西暦1830年)まで大坂東町奉行の与力の職にありました。大坂町奉行は「遠国奉行」の1つで,大坂における行政権・司法権を有する官職で,その「与力」は奉行を補佐する官職であったことから,随分なエリート公務員であったようです。今様にいえば,税務署長・警察署長・地検の部長・地裁の部総括判事を全部兼ねるような人でしょうか。

彼は与力を辞めた後,私塾・洗心洞を開きますが,やがて武器を集め,塾生に対して軍事教練を実施し,ついに乱を起こします。元・エリート公務員が首謀者となった騒乱ですから,それはもうエライことです。

 

乱の経過は次のようであったと言われています。

大塩平八郎,塾生及び付和随行者たち(以下「大塩ら」といいます。)は,洗心洞(現在は大阪市北区天満1丁目の造幣局敷地内)を出発し,近くの川崎東照宮(現在は滝川小学校)に放火,現在の谷町筋を南進した後,旧淀川(現在の大川ですが,流れていたのは現在の土佐堀通の道路が走っている所であったようです。)北岸を西に前進し,なにわ橋から大川を渡ります。当時のなにわ橋は現在と違って,堺筋ではなく一本西の筋(現在の大阪シティ信用金庫本店の東側の筋)に架かっていました。なにわ橋を渡った大塩らはその筋を南に進み,高麗橋通りで左折して東進しますが,その間に所在する豪商の屋敷に放火して回りました。大塩らが進んだ道に豪商の屋敷があったことは,現在の大阪美術倶楽部(旧・鴻池家)やThe Kitahama(旧・越後屋大阪店)などからもうかがい知れます。高麗橋通りを東に進む大塩らは東町奉行所(現在の大阪合同庁舎1号館あたり)を目指しますが,谷町筋辺りに布陣していた東町奉行所の部隊と衝突して,瞬く間に鎮圧されたそうです。

こうしてみると確かにエライことではありましたが,騒乱自体は呆気なく鎮圧されてしまったようです。

 

さいごに,現行法と大塩平八郎の乱について触れたいと思います。いちおう,弁護士会のブログです。

大塩平八郎の乱は現行法を適用しても間違いなく犯罪になるでしょうし,今年ニュースを賑わわせたテロ等準備罪(組織犯罪処罰法6条の2,弁護士会のいう「共謀罪」)が成立するかもしれません。洗心洞の塾生は,遅くとも武器を集め軍事教練を始めた頃からはテロ等準備罪にいう「組織的犯罪集団」(同条)に該当する疑いがありますし,乱を「計画」(同)して,武器を集めるなどの「実行準備行為」(同)を行っている疑いも十分にあります。

ここで,大阪弁護士会がいうようにテロ等準備罪という犯罪類型が 「あかんやろ!」 なのか否かについて議論するつもりは,毛頭ありません。ただ,1つ言えるのは,大塩平八郎の乱の経過を見る限り,騒乱を含む「重大犯罪」(同)を防止するためには,実体上の犯罪類型がどうであるかよりも,手続上の警察活動がうまくいっているか否かの方がはるかに重要であるということです。乱の経過を見たとき,大塩らが豪商の屋敷に放火して回る前に東町奉行所がこれを鎮圧することは,十分可能であったと思います。つまり,大塩らが洗心洞を出発し川崎東照宮に放火した時点で,川崎東照宮と東町奉行所との間は,天満橋を挟んでわずか1㎞しか離れていません。川崎東照宮での放火事件発生の報を受けた時点で東町奉行所が川崎東照宮方面へ向けて部隊を前進させていれば,統制が取れていない大塩らがなにわ橋を渡る前に乱を鎮圧することも十分可能であったはずですし,さらにいうと,日頃から情報収集を行っていれば,大塩平八郎が武器を集め軍事教練を始めた時点で彼を拘束することも可能であったはずです。実際,大塩平八郎の乱の約200年前に起きた由井正雪の乱では,実行行為に着手する前に首謀者全員を拘束し,又は自決させています。にもかかわらず,鎮圧が遅れたのは東町奉行所の警察活動が,日頃からの情報収集や部隊の練度維持などの面で不十分であったからにほかならないと思います。江戸時代も後半で,奉行所を含め幕府の力が弱っていたからでしょう。

 

江戸時代後半の奉行所と比べて現代の警察は,はるかに優秀だと思います。優秀な警察に加えてテロ等準備罪を設けることは,

屋上屋を架すだけで「あかんやろ!」(大阪弁護士会)なのか,

TOC条約を締結し「テロを含む組織犯罪を未然に防止し,国際協力をより一層進める」(法務省)必要があるのか

は私にはわかりませんが,少なくとも「重大犯罪」を防止するためにはテロ等準備罪を設けるか否かといった刑事実体法の問題よりも,手続上の警察活動に関する問題の方が重要であるように私は思います。

小学生向け春休みイベント、準備中

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昨年度ご好評をいただいた小学生向けジュニアロースクール「ほうりつのがっこう」(下記URLに記事があります。)

http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/155/entry/2341

 

今年度も行うべく準備をしております。

今年度の実施予定日は2018年(平成30年)3月28日。

 

先の話だと思っていたのですが、もう4ヶ月をきっております。

月日が過ぎていくのは早いものです。

 

イベントを行うためには準備が必要です。

来年の事を言うと鬼が笑うなんて言いますが、今からの準備でぎりぎり間に合うかというようなところなので、鬼には笑わせておくことにします。

 

今年度は刑事裁判を題材にしようということで、今、とりかかっているのがシナリオ作りです。

 

できるだけわかりやすい言葉で、時間の制限もあるので、争点は明確、かつ、絞って。

意見を出し合って、少しでもいいものにしようと頑張っています。

 

こうしたイベントの題材作りですが、「大変だなぁ」との印象をもたれるかもしれません。

しかし、参加する弁護士はみんな楽しんでやってます。

それもそのはずで、迎える側が楽しんでやらなくては参加する生徒に楽しんでもらえるはずがありません。

 

昔、他の先生に言われたことがあります。

「誰が一番楽しんでるかって言われたら、先生だよね。」

 

……返す言葉もありません。

その通りです。

 

という感じで、鋭意作成中。

イベントを楽しんでもらうための準備もまた楽しい。

 

そんな私達が恐れるのは

「参加者が少なかったら……」

 

今年も盛況であることを祈ります。

 

ロシア革命100周年

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テレビ番組欄を漫然と見ていたら、「ETV特集 ロシア革命 100年後の真実」という番組が目の中に飛び込んできました。

 

そうか、今年はロシア革命から100年目か!

 

私にとって、ソ連邦という国は高校時代に「消え去った」国であり、

国や20世紀に出現した社会主義という形が消え去るという瞬間に直面した時、何とも言えない感情が沸き起こったことを今でも覚えています。

 

ということで番組を視聴しました。

 

第一次世界大戦に対する厭戦気分が蔓延していた民衆・兵士の心をつかみ、革命を成就し、世界でまだ存在しない「民衆のための社会」主義国家建設に邁進した姿、他方で、反革命派に対する暴力的弾圧も辞さなかったレーニンの功罪が描かれていました。

 

「民衆のための社会」主義を目指したレーニンが民衆に銃口を向けるという決断をした時、レーニンは何かを失ったのかもしれないと思わず感じざるを得ませんでした。ただ、レーニンをしてそのような決断をさせたのは何だったのか、そこに、一つの社会を形成していくことの難しさがあるのではないかと感じました。

 

ロシア革命から100年を経て、社会主義という20世紀の夢は潰え、世界は資本主義が席巻しております。他方で、剥き出しの弱肉強食や自己責任一辺倒の資本主義の欠陥も指摘されています。

 

民衆や社会を統制する社会主義はもはや誰も望まないでしょうが、人々が資本や経済で分断されていく今日の資本主義が全面的にこれからも人々に肯定されていくものではないと思われます。

 

資本主義社会を前提とする今日において、資本主義の負の側面を修正しつつ、人と人がつながる社会がいかに形成していくことが出来るのか、レーニンの功罪は一つの手がかりになるのではないかと感じました。人々を豊かにするはずの資本主義が、人々に経済的・社会的銃口を向ける瞬間がないのか、そのようなことがないように、法律家もやはり考えていく必要があるのではないか、そんなことを感じました。

法廷内の手錠・腰縄問題ーその2-

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このブログを前回書いたときは、法廷内の手錠・腰縄の取り扱いについて、欧州調査の準備に追われているという話を書きました。

そこで、今回は、その結果について、少し紹介したいと思います。

 

ヨーロッパ調査は、ドイツ、フランス、アイルランド、イギリスに行きました。フランスは、欧州人権裁判所の調査が主でしたので、ドイツ、アイルランド、イギリスの調査結果を少し、紹介します。

 

ドイツは、ケルン地方裁判所とハッティンゲン簡易裁判所に行きました。どちらも、同じ州内の裁判所ですが、二つの裁判所で運用が異なっていたことも驚きの一つでした。

ケルン地方裁判所では、法廷内に手錠をしたまま被告人が入ってくることは原則ありません。例外的に、個別の被告人に暴行行為等の具体的なおそれがある場合には、裁判所が判断をして、手錠のまま入廷することもあるようですが、そのような事例は、ほぼないとのことでした。

ハッティンゲン簡易裁判所では、被告人が手錠のまま法廷に連れてこられる場合には、法廷に入る扉の陰で手錠を外すことが多く、手錠・腰縄姿のままで被告人席に来ることはほとんどないとのことでした。

 

イギリスは、100年以上も前から、法廷内に来る際に手錠をしていることは原則ないとのことで、それが「当たり前」の感覚になっていました。

 

アイルランドでも、被告人が法廷内で手錠をしていることは原則なく、それが「当たり前」であるとのことでした。

 

調査した3カ国では、日本のように、法廷内において、被告人に一律に手錠(日本の場合には、腰縄もしています。)をしている事例は、ありませんでした。

 

この法廷内での手錠・腰縄問題に関しては、今月1日に、近弁連で、被告人に逃亡・暴力行為等のおそれがない限り、法廷への入退廷時に手錠・腰縄を使用しないことを求める旨の決議がされ、問題の認識が広まりつつあります。

 

被告人の問題になると、日本ではまだまだ市民の間にその認識も理解も薄いです。罪を犯したのだから当然だとの、意見が多いようにも感じます。これには、起訴後の有罪率が99%を超えている事実があることが大きいと思います。

被告人には、無罪が推定されているという原則の意義を広めていければと思います。

 

と、なんだか、バリバリの刑事弁護弁護士みたいですね。

 

でも、私も含め、普通の弁護士の仕事は、民事事件が8~9割、刑事事件が1~2割です。刑事事件をやっていない弁護士さんも、実は多いんですよ。

 

刑事事件をやっていてもやっていなくても、少数者の人権を擁護することが、弁護士の使命だと私は思っています。

 

あー、なんだか、最後までまじめな話になってしまいました・・・。

今度書く機会があれば、もう少し、くだけた話を書きたいです。

満員御礼!リーガル女子!女子中高生シンポ

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先月23日(祝・木)に,

女子中高生向けシンポジウム「来たれ,リーガル女子!~女性の裁判官・検察官・弁護士の仕事と働き方って どんなんかな~」が大阪大学で開催されました。

 

当日は,晴天にも恵まれ,定員を超える223名の方に来ていただき,大変盛況となりました。

参加していただいた方からも,

「裁判官,検察官,弁護士について具体的なイメージを持つことができた。」,

「進路を考えるにあたって,具体的に,実際に働いている方の話を聞ける場は貴重だった。」,

「進路に迷っていたが,法曹に興味を持った。」,

「法学部や法曹について,いろいろな知識を得ることができたいい機会だった。」

「女性法曹は仕事が大変で家庭を持つことはできないというイメージがあったが,講師の皆さんのお話しから,女性も育児などとうまく両立して仕事をしていてポジティブに仕事ができると知ることができてよかった。」

等と大変好評いただき,シンポの趣旨を的確に受け止めていただき,ありがたく思っています。

近畿圏外である宮崎県,岡山県からも参加してくださった方がいて,とても嬉しかったです。

 

当日は,第1部で基調講演をしていただいた前国連女性差別撤廃委員会委員長であった林陽子弁護士から,女性法曹にまつわるクイズからお話しいただき,国連で人権保護のために多国籍の委員と共に活動されているご様子を写真を織り交ぜながらお話しいただきました。林弁護士の「日本では女性の法曹がまだまだ必要。」「40年前に戻って,再度職業を選べるとしても,また弁護士になるだろう。」とご自身の仕事に誇りとやりがいを感じられている様子が印象的でした。学生からは,「弁護士という仕事を通じて国連で活躍されていることで,活躍の場の広さを実感できた。」等の感想いただきました。

 

第2部では,大阪大学大学院高等司法研究科の水谷郁子教授がコーディネーターをしていただき,森純子裁判官,赤羽史子検事,佐藤倫子弁護士からそれぞれの働き方,仕事のやりがい,家庭との両立,法曹を目指した動機,学生へのエール等を話していただきました。具体的なお話しから,各法曹の実態を知ることができる内容で,また,「学生の内に,一杯勉強すること,また,興味のあることに打ち込むことは必ず将来役に立ちます!」という言葉に励まされた学生の方も多かったようです。

 

第3部は,模擬裁判を見て貰いながら,要所要所で刑事訴訟法の考え方等の解説を行い,学生の皆さんにも一緒に考えて貰いながら進める方式で行いました。臨場感ある模擬裁判に刺激を受け,「裁判傍聴に行ってみようと思う。」という感想もいただきました。

 

第4部のグループセッションは,学生の皆さんが選らんだ興味のある分野毎に,学生10名に講師が2,3名ついて,各分野の説明や質問に答えるという形式でした。少人数であることで講師と双方向に意見交換ができたことで,法曹を身近に捉えていただくことができたようで,大変好評でした。

 

また,ゆるキャラ「まさ子先生」の着ぐるみも登場し,シンポに賑わいを添えてくれました(「まさ子先生」は,日本で初めて女性で弁護士になられた中田まさ子さんをキャラクター化した鳥取県弁護士会のゆるキャラです)。

 

お休みの日に(しかも期末試験前の時期にもかかわらず!)ご参加いただいた中高生の皆さま,付添いいただいた保護者・教員の皆さま,告知等でご協力いただいた皆さま,本当にありがとうございました。

 

本シンポでは,約70名近くの法曹関係者が,未来の日本の司法を支える後輩達のため,準備を含め関わらせていただきました。関与した法曹にとって,本シンポが契機となって,法曹を目指す学生がいましたら,これ以上の喜びはありません!

 

 

 

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