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Channel: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿
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広報委員会での業務(その2)

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以前の記事では,大阪弁護士会広報委員会の業務として,私が女優の方などにインタビューをしていることについて書かせてもらいました。

https://www.osakaben.or.jp/blog/posts/128/entry/2211

本日もこのインタビュー関係の話です。

 

このインタビューの業務は,単にインタビューをするだけでなく,インタビュー対象者の方にオファーをするところから始まります。

 

オファーの方法はまちまちで,ベテラン弁護士等の伝手でアポを取ることができれば,単純に日程調整をするだけでインタビューを実現できるのですが,そうでない場合は自力でアポを取る必要があります。

 

直接アポをとるのが通常ですが,落語家さんの場合に,知人の若手落語家さんから大物落語家さんを紹介してもらったこと等もありました。

 

色々な方にアポをとること自体は弁護士の仕事に直接関係することではないかもしれませんが,大物に直接アポをとること等は,度胸試しになっている気はしています。


オーバーステイ

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最近、オーバーステイで逮捕されてしまった方の接見に行くことがありました。

「不法滞在の外国人」というカテゴリーに日本人はすごく厳しい目を向けることが多くて、やれ退去だなんだとマスコミなんかも声を上げるわけですが、

今回私がお会いした方は、留学して、日本語を学んで、その後日本で就職もして働いて、都度ビザもきちんと更新して…と本当に本当に真面目に日本で暮らしてこられた方でした。

 

今回ほんの数週間のオーバーステイで逮捕され、勾留までされてしまったのです。しかもオーバーステイになった理由もとても気の毒な事情で。

 

今後は不起訴→入管または起訴→執行猶予→入管、という流れで近く本国に戻られることになるのだと思いますが、ごくごく軽微な違法状態があったからといってすぐに日本の中で一生懸命に仕事をして活躍していた人を追い出して、しかも今後何年間も日本には入らせません!!というのは何とも強権的な制度だなぁと残念な気持ちでなりません。(もちろん在留特別許可や仮放免の手続きなどはあるにはあるのですが。)

 

外国人の方が暮らしやすい国なのかどうかはわかりませんが、もっと広い心で外国の方を受け入れる国でもいいのに、と思った一件でした。

 

 

「岡山県立津山高校でワークショップの講師を務めてきました。」

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岡山県立津山高校の2年生を対象にした選択科目でワークショップが実施されることとなり,縁あって講師を務めてきました。

なぜ大阪の弁護士が岡山で?ということはさておき,同高校は創立121年の歴史と伝統があり,明治33年に落成した旧本館は,NHKの連続ドラマ「あぐり」や「カーネーション」での撮影にも使用されたそうです。

また,B’zのボーカルの稲葉さんの出身校でもあるようで,熱心なファンが訪れるとか訪れないとか。

 

さて,今回のワークショップでは「社会における法曹の役割・重要性について学ぶ」ことが目的で,時間は90分,一方的な講義形式ではなく,13名の参加者との間で,某教授の「白熱教室」のような活発なやりとりをしていただければとのこと。

なかなかハードルが高くプレッシャーでしたが,事前学習も実施されるとのことでしたので,下記のアンケートに答えておいてもらうことにしました。

① 裁判に関するニュースで記憶に残っていることは何ですか?

② 「司法」「裁判」「法律」「法曹」を小学3年生の児童に説明するとすれば,どのように説明しますか?

③ 法曹三者のいずれかになるとしたら,どれになりたいですか?

 

また,当日には模擬法廷も実施しようと目論み,簡略化した事案を題材に検察官,弁護士の立場から意見を述べ,また,裁判官の立場から判断を示すとすれば,どうするかも考えてもらうこととしました。

 

そうして迎えた10月8日(土),余裕をもって自宅を出発したつもりでしたが,高速バスが渋滞で延着したというハプニングもあり,慌ただしく現地へ。

心の準備もそこそこで,「どんな生徒が来るんやろうか」,「大阪の人間はみんなおもろいと期待されていたら,どうしようか」,「いや,逆に全く期待されておらず,白けた感じの方がしんどいな」等々心配しながら校舎に入ると,玄関に10数名の生徒が集まっています。

本日の受講生たちかもと思いおずおずと挨拶してみたところ,とても元気に気持ちのいい挨拶を返してくれ,一気に緊張が解けました。

 

そのまま会場へ移動してワークショップを開始しましたが,最初に司法試験に合格するまでの経験談や,合格してからの司法修習について話しました。

裁判官・検察官・弁護士が同じ試験を受けて,同じ修習をしていることは必ずしも広く知られていないのではないかと思ったからですが,受講生はとても関心を持ってくれたようでした。

また,弁護士に登録してからの仕事ぶり,特に裁判以外にも多岐にわたる活動ができる可能性があるという点にも興味を持ってくれたようでした。

なお,余談として話したこと,例えば,「法律事務所に勤務して給与をもらっている弁護士のことを,独立するまでの間,居候している弁護士ということで,『イソ弁』と呼んだりしています」という説明も,熱心にメモまでとってくれていました。

 

このように受講生がみな熱心で,きちんと反応を示してくれるため,つい調子に乗ってしまい脱線すること度々で,気が付けば60分近くが経過・・・

慌てて模擬法廷を実施することにして,自分がなりたい立場にわかれてチームを組んでもらいました。

事前に考えてもらった事案について,検察官チームから論告・求刑を,弁護人チームから弁論を行ってもらいましたが,実際の形式は伝えていませんし,どのような犯罪が成立して法定刑がどのように定められているかも伝えておらず,あくまで現時点で持っている価値観,正義感に基づいて,ただ,立場をわきまえて意見を述べてみてほしいとだけお願いしました。

そして,最後に,裁判官チームで合議してもらい,判決を言い渡してもらいましたが,やはりここでも同様です。

 

事前に事案の検討はしてもらいましたが,こうした模擬法廷を実施するとはアナウンスしておらず,面食らったと思いますが,みな自分が検察官,弁護人,裁判官だったらと想像しながら,立派に役割を演じてくれました。

 

なお,本当は,役割を変えてチームを再編して,再度模擬法廷を実施してみようとも思っていたのですが,時間配分がまずくて実施できず,ただ,受講生には違う立場だったらどうするか,また,立場をわきまえて行動するということがどういうことかを,実感してもらえたのではないかと思いました。

 

こうして90分はあっという間に過ぎてしまいましたが,せっかくなのでと座談会のような場を設けてくださいました。

受講生もみな残ってくれ,お弁当を食べながら気軽に質問をしてもらったり,普段感じていることを話してもらったり,将来の進路・志望についても聞かせてもらったり。

 

弁護士になりたい,法曹になりたいと考えているという方もおり,早ければ10年以内には同じ法曹として再会できますので,そうなれば本当に嬉しいです。

また,違う道に進む方にとっても,今回のワークショップが何らかの一助にでもなれば幸いです。

 

先日,受講生からのアンケートを送ってもらいましたが,改めて皆さんが真剣に取り組んでくれたのだと感動しています。

そのため,おそらく本ブログ開設以来,最長となるのではないかと思いますが,今回の記事を書かせてもらいました。

「いい遺言の日」遺言・相続・終活なんでも無料法律相談会のお知らせ

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遺言・相続センター運営委員会の櫻田です。

 

大阪弁護士会は,毎年11月15日を「いい遺言の日」とし,その記念行事として,大阪弁護士会館にて,以下の日時に,遺言・相続・終活に関する無料法律相談会を実施します。

1人以上

 

開催日:平成28年11月15日(火)

開催時間:13:00開始16:00終了 [受付12:30~15:00]

 

当日のご相談料は,無料です。

相談時間は,お一人様,原則30分とさせていただきます。

 

事前に電話予約をお願い致します。

 

予約電話番号は,「06-6364-1205」です。

電話受付時間は,平日9:00~12:00,13:00~17:00となっております。

 

遺言のこと,相続のこと,後見制度や財産管理のこと,今から考えておきませんか?

遺言書作成や終活のきっかけ作りに是非,ご来場下さい!

 

なお,一時保育サービスもありますので,ご予約の際,ご相談下さい。

(一時保育の申込期限は、11月4日午後5時まで)

 

http://www.osakaben.or.jp/event/2016/2016_1115.php

 

死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言

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本年10月7日、日本弁護士連合会は人権擁護大会で上記宣言を賛成多数で採決し、今後死刑廃止に向けて取り組んでいくとの決意を表明した。

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/civil_liberties/data/2016_1007_0...

会場では賛成派、反対派から多様な意見が熱く交わされた。死刑廃止をめぐっては、会内でも多様な意見がある。また、FNNの世論調査では死刑存続派が7割を超えている。

 

私は悩みつつ、賛成票を投じた。

私の娘が8歳の時、同じ歳の女の子が通学途上でいきなり若い男性に刺身包丁で刺殺されるとう事件が起こった。その事件を新聞で読んでまず思ったのは、『被害者が私の娘なら、相手も殺してやる。許さない』だった。多くの親は同じように考えるのではないだろうか。その後知人の紹介で、被害者のお母さんから相談を受けることになった。被害者は一人っ子の母子家庭で、お母さんはその子の成長だけを楽しみにしていた。

被害者の自宅に行き、仏前に手を合わせた後、打ち合わせをするのだが、お母さんは事件を思い出し、相手を殺してやりたい、死刑にしてほしいと号泣、その気持ちが痛いほどわかるこちらも涙が止まらず、お互い涙、涙の打ち合わせが続いた。

結局、加害者は心神喪失状態と言うことで不起訴。まだ、犯罪被害者の権利など言われてもいない時代だったが、被害者に対する検察官の誠意ある説明と配慮はありがたかった。

このような経験から、理想論としての死刑廃止には軽々に賛成とは言えなかった。人権大会の会場内で死刑廃止への反対派の方々は、犯罪被害者の側に立って活動されている方が多かった。

 

一方で、その後私は、誤ったDNA鑑定で無罪が明らかとなった足利事件の菅家さんをはじめとする冤罪被害者の方々と接する機会があった。菅家さんは無期懲役で死刑判決ではなかったから長い闘いの後冤罪を晴らすことができた。しかし、心底恐ろしいと思ったのは、足利事件で検察庁がDNA事件の再鑑定を認めた同じ時期に、同じDNA鑑定で死刑判決を受けた飯塚事件の死刑執行がなされたことだった。同じような時期に、菅家さんの再審に向けた動きの中で死刑執行の決済が行われていたことだ。「冤罪で死刑執行になった人が何人いるのか、ほとんどいない」という説も聞くが、たとえ一人であっても、それは仕方のないことと片付けられるものではない。それが、まず死刑制度に疑問を持つようになったきっかけだった。

 

私たちはあまりに死刑の実態について無知である。絞首刑だということはわかっている。私は、修習生時代に刑場を見たことがある(最近はないようだが)し、執行確認の立合検察官、誰がスイッチを入れたかわからないようにとの配慮からの複数の執行刑務官からのお話をかいま聞いたことはある。それがだれであれ人を殺すということはやはり残虐だ。絞首刑は他の執行方法に比べて残虐でないとは到底言い切れない。

死刑は、何のためにあるのだろう。被害者の応報感情を国家が代理するのか。人権擁護大会の議論の中で、「遺族が望むのは極刑だ。今は死刑が極刑なので死刑を望むのだ。終身刑が極刑なら終身刑を望む』と言う言葉は説得的だった。あるいは死刑は矯正不能な危険な人物の社会からの排斥なのか。それなら死刑以外の方法はないのか。

私は、あれこれと思いだしながら、被害者の応報感情がもっともなものと理解できる、しかし、国家制度として死刑制度に問題はないのかと、悩みつつ迷いつつ死刑廃止の宣言に賛成した。

 

諸外国には、死刑廃止を実現した国、廃止に向かいつつある国、制度はあるが執行がない国が数多くある。もっと、議論が必要だし、もっと実態を知ることが必要だ。

日弁連が廃止の宣言をしたからと言ってすぐさまそれが実現されるものではないことは十分認識しつつ、今後日弁連が廃止に向けて取り組んでいくという姿勢への賛成である。

 

子ども会ソフトボールの楽しさ

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坂本優と申します。

 

 今日は,私が休日に弁護士業務外で活動していることについて書きたいと思います。

 

 私は,地元の子ども会のソフトボールチームのコーチをしています。

 

 もともとうちの息子たちは揃って野球好きでソフトボールをしていたのですが,4年前に引越しをしたのをきっかけに,今のチームに入りました。

 それがえらく強いチームでして,アツい監督の指導のもと,うちの息子たちはそこで野球のイロハを教えてもらいました。

 

 私自身は全く野球の経験はありませんが,いつの間にかチームの運営に関わるようになり,いつの間にか監督不在のときはベンチをあずかるような立場になってしまいました。

 

 不思議なこともあるものです。

 

 大阪市のソフトボール界では,毎年夏に「市子連大会」というものがあります。

 大阪市24区がそれぞれ「区子連大会」を行って区の代表を決め,区の代表がトーナメントで大阪市ナンバーワンを決める大会です。さながら夏の甲子園のようです。

 

 うちのチームは毎年この市子連大会に出るような常連チームですが,残念ながら優勝したことはありません。ここ4年間では,ベスト4,ベスト4,ベスト8,ベスト8です。

 

 やはり,ナンバーワンになるというのは生半可なことではない,と実感しています。

 

 こうした活動を通して思うのは,「小学生の成長は凄い!」ということです。

 

 6年生が引退近くなると,5年生以下に目をやるわけですが,毎年のごとく,「来年は・・・厳しいなあ」と思うわけです。

 

 ところが,それから半年近く経つと,

 

 6月末の区子連で「絶対に負けられない試合」に臨んで,極度の緊張の中,勝利し,

 

 8月の市子連で「強敵と1点を争う試合」をします。それがまた痺れる試合なんですね。残念ながら,結果として負けるのですが,なんといいますか,「負けっぷり」がいいんですよね。

 

 こういうのが毎年のように続いています。今年もそうでした。

 

 そして,市子連の後,引退までの6年生は,どこか野球(ソフト)を楽しんでいる感じです。あの「頼りない5年生」が,「頼もしい最上級生」になっているのです。

 

 今の6年生に次男がおりますが,こういうのを見ていると,野球(ソフト)やっていてよかったね,とつくづく思います。

 

 さらに,その子たちが,区大会で鎬を削った他の小学校の子どもたちと,中学野球部で一緒に活動する・・・これを応援に行くのもまた楽しみです。今の中2の長男が,ちょうどそういう時期です。

 

 語りたいことは他に山ほどありますが,この辺で。

 

「e相談」の開設1周年無料相談キャンペーンをやっています!

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大阪弁護士会では,平成27年11月から「インターネットによる法律相談」(愛称「e相談」)を開始しています。

 

 

                                    e-soudan_logo.png

 

このたび,「e相談」開設1周年を記念して,交通事故相談を対象に無料相談キャンペーンを実施することとなりました!
 

 

この 「e相談」の最大のメリットは,PC等でいつでもどこからでも相談することができる点です。

仕事や育児などで相談場所になかなか足を運べない方にも,たいへん利用しやすいものとなっております(詳しくは https://www.osakaben.or.jp/net-soudan/)。

 

ご相談には,2名の担当弁護士が内容を検討し、ダブルチェックで回答するから安心です。

「e相談」開設1周年無料相談の要領は以下のとおりです。
(詳しくは https://www.osakaben.or.jp/info/2016/2016_1031.php

 

市民の皆様はこの機会にぜひご利用ください。

 

 期 間:平成28年11月~12月の2か月間
 対 象:交通事故相談(他の相談分野は有料です。)

 

 

食べられるカニの見分け方

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先日、和歌山で猛毒を持つカニが漁網にかかったというニュースがありました。
皆さんは、食べられるカニと猛毒のカニを自信を持って区別できますか?

 

さて、目の前に美味しそうなカニがいます。
あなたはお腹が空いています。
そんなとき、あなたはどうしますか?

「猛毒のカニもいる」ということを知ってさえいれば、むやみに正体不明のカニを食べることもないですよね。
でも、お腹がとっても空いていたらどうですか?
あるいは、「猛毒のカニもいる」ということを知らなかったらどうですか?
食べちゃうかもしれませんよね!?

 

ビジネスの世界ではどうでしょう。
「一見誰もが思いつきそうな(だけど誰もやっていない)、儲かりそうなビジネスのアイデアが浮かんだ。」
そのビジネスを実行しても大丈夫ですか?

それって違法なビジネスかもしれませんよね。
最悪、警察に捕まるかもしれませんよね。
そんなときはどうしますか?
普通はそんな危ないことはしませんよね。
でも、お金がのどから手が出るくらい必要だったらどうしますか?
あるいは、そもそも「そんなビジネスが違法とは知らなかった」とすればどうですか?
やっちゃうかもしれませんよね!?

 

実はそのような違法なビジネスはいろいろありまして、例えば、お金をもらって売掛金を回収するビジネス(弁護士などが行なう場合以外は弁護士法違反です)などがあります。

 

微妙な例でいえば、スマートフォンを修理するビジネスが挙げられます。

 

スマートフォンは無線設備の一種であるため、日本国内で適法に利用するためには、その機種が法律の技術基準に適合していることの認証をメーカーが受けなければなりません。ところが、スマートフォンを修理することによって性能が変わってしまった場合には、そのような認証が失効する可能性があります。よって、スマートフォンを修理をした場合には、本来であれば修理をしたことによって技術基準を逸脱しないことを証明する必要があるため、修理を行なうことができるのはメーカーかその委託業者に限られていました。
ところが、それ以外の業者がスマートフォンを修理した場合の取扱いについては法律上明確ではなく、実際にはグレーな状況で修理業者が登場する状況となっていました。
そこで、平成27年4月から、「登録修理業者制度」がスタートし、メーカーや委託業者以外であっも、登録を行なうことで、無線機としての性能に影響のない、画面割れの修理やバッテリー交換などといった修理を行なうことができるようになりました。
しかし、このような登録制度開始後も、やはり多くの業者がそのような登録を経ることなく修理を行っているのが現状です。

 

このような例を見ると、ぱっと見て何ら法律に違反することなどないように見えるスマートフォンの修理であっても、実は法律的に曖昧なところでビジネスが行なわれていることがお分かり頂けるのではないでしょうか。

 

ビジネスを成功させる上では、ある程度のリスクを背負うことは不可欠です。しかし、そのようなリスクは、あくまでも「儲かるか、儲からないか」のリスク(ビジネスリスク)に留めるべきであって、「違法か、適法か」という法律上のリスク(リーガルリスク)は最小限でなければなりません。

 

リーガルリスクの有無を、ご自身で調べることも不可能ではないです。しかし、それは目の前のカニが食べられるかどうかを図鑑を見ながら調べるようなもので、調査に時間と手間ががかかる反面、完全にリスクを払拭できないということになりかねません。

 

そこで、ビジネス上のリーガルリスクの判断は、是非とも法律の専門家である弁護士にご依頼を頂きたいと思います。また、このようなリスクの有無を気軽に相談できる顧問弁護士を持たれることをお勧めします。


コトバの意味って変わっていくもの

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 世の中には、いろんなコトバがあります。当たり前ですね、失礼いたしました(;^_^A)。

 

 賛否両論でしょうが、私は、コトバの意味が変わっていくことが悪いとは思っていません。

 これもまた当たり前ですが、同じコトバでも、平安時代の意味と、現代の意味は全く違ったりします。例えば、「かわいい」は、平安時代では、「かわいそうだ」という意味でも使われていたようです。

 

 社会の在り方はどんどん変わっていくものですから、それに合わせて人がそのコトバに抱く意味合いが変わっていくのは、当たり前のことだ、と私は考えています。

 

 しかし、残念な変わり方もあります。

 

「情けは人の為ならず」

 

 1 情けをかけることは、結局のところその人のためにならない・・・甘やかすだけ、という理解でしょうか・・・

 2 人に情けをかければ、巡り巡って自分にとって良いことが起こる・・・助け合いの精神みたいなものでしょうか・・・

 

 2の意味が本来の意味ですが、最近は、1の意味で使う人と、2の意味で使う人の割合は、五分五分だそうです。

 世知辛いなあ、と思うのは私だけでしょうか・・・

 

 

「性善説で作られた法律だから・・・」

 これは、マスコミのみならず、「有識者」と言われる人もほぼ本来の意味とは違う使い方をしています。もはや意味が完全に変わってしまったのかもしれません。

 

 「性善説」人は信じるべきだ

   「性悪説」人は疑ってかかるべきだ

 これは、本来の意味からかけ離れています。

 

   「性善説」人のこころは、生まれながら「善」なんだけど、成長して悪いものに触れていくうちに、悪行を行うようになる。だから悪いものをなくしていくために、教育が必要なんだ。

   「性悪説」人のこころは、生まれながら「悪」で、放っておくと悪行を行うから、そんなことがないように教育が必要なんだ。

 

 簡単に言えば(専門家ではないので、簡単にしか言えないのです(;^_^A)こんな感じです。

 

 これがなぜ残念なのかというと、「日本の法律は性善説で作られているから(もっと厳しくペナルティーを課そう)」と、単純な理解にしかならないからです。

 

 でも、ほんとうは、人は「いいこと」も「悪いこと」もします。

 

 法律で取り締まれない「悪事」があるなら、それは作った人が「ミス」ったか、わざと「抜け穴」を作ったか、のどちらかというのが、ほんとうのところだと思っています。

そこまで踏み込まずに、簡単に人のこころのせいにするのは、思考停止なんじゃないかな、と思っています。

 

「エライヒト」が使っているのを聞くと、残念でなりません。

 

 他方で、これも賛否両論なのでしょうが、私が勝手に「いいんじゃないの」と思っている変化もあります。

 

「ら抜きことば」です。

 

「見れる」と言いませんか?

 

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「見ることができる」という意味で使うためには、 「見られる」が正しい、とされているのです。

 

 でも、他人から監視されている、という意味で、「見れる」を使う人はいません。必ず「見られる」「見られてる」と言いますよね。

 

 実は、これ、「可能」の意味の場合だけ使われているのです。

 

「れる」「られる」という言葉は、本来、「受動(他人から~させられている)」、「(目上の人に)この資料はもう見られましたか?」などでも使われます。

 

 では、この「誤用」はなんなのでしょうか?

 

 私は、コトバの意味が伝わりやすくなる一種の「工夫」だと思っています。

 

 使い始めた人たちは、無意識にかもしれませんが、相手にコトバの意味が伝わりやすくしたのかもしれませんね♪

 

 

こういったことを考えるのも結構楽しかったりします。

人のココロの奥底を「見れる」弁護士でありたいと思っております。

ネタがない

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さて,秋も終わりに近づき,朝がつらい季節になってきました。

 

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

 

私は,というと,久しぶりにブログの更新を行うにあたり,

 

 

「ネタがない!!」

 

 

と,愕然としてしまいました。

 

 

厳密にいえばネタがあることはあるのですが,というか,ネタだらけの毎日なのですが,

 

①そもそも絶対に口外できない守秘義務違反の事項

②普段の生活のドジであり,公開すれば弁護士としての品位・品格を疑われかねない事項

 

がネタの大部分を占め,何とも口外できない,ましてやブログで発信して全世界に公開する等もってのほか,となってしまうのです。 

 

 

 

そんな,波があり,興味深いけれども口外できない秘密を多数抱えながら日々の業務を行い,口外できないネタを蓄積していく毎日なのでした・・・

 

 

 

ちなみに,私は口から先に生まれたのか,と言われるほどに口数が多く,うるさく,口が軽いのですが,この職に就いてからは割と切り分けができるようになりました。

 

 

*最後の一文がないと,職業人としてどうなのかと疑われかねませんもんね笑

アンテナは広めに

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2学期は日数が多いので、学校ではいろいろなイベントがあります。

 

時間がとりやすい=外部講師も招きやすいのか、出張授業がされることがあります。

そこで、私も講師として高校に行って授業をすることがあります。

 

「弁護士が来る。」ということで、生徒さんにそれだけで興味を持ってもらえるってありがたいと思うのですが、やはり、50分の授業ともなれば、それなりに興味をひきつけることが必要です。

 

そこで、日常的になんかいい感じに興味を持ってくれる話題、そこまでいかなくても、共通の話題、ちょっと食いつきがいい話題、説明しなくともすぐに分かる話題ってものがあればいいと思っていろいろ考えてみたりします。

 

たとえば、私の世代は、漫画だと「ドラゴンボール」、ゲームだと「ドラクエ」やら「エフエフ」やらは共通の話題だったわけです。

 

ところが、こういう話題のチョイスが分からない。

 

流行的には、「ポケモンGo」「妖怪ウォッチ」「PPAP」などがあると思うのですが、「ポケモンGo」はなんとなく推奨はできないし、高校生に「妖怪ウォッチ」はないだろうとか、「PPAP」は自分が理解できない。

と、このように制限が多々あるのです。

 

世代を超えているものもあります。

音楽だと、今の高校生でも「安室奈美恵」「ミスチル」とか聞いてたりしますから。

そういや、「サザン」「中島みゆき」も長いな。

「嵐」も1999年デビューだから長いな。

でも、どこまで通じるのか不明。

ジェネレーションギャップがなさそうでありそうな感じ。

 

それで、ベターな話題っていうのはどれがいいのかなぁと悩み、頭の中は情報でごった煮状態になっていくのです。

(そして、それが授業で反映されるとは限らない……)

傍聴のススメ

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弁護士の西塚直之です。

 

大学で教えていると「裁判を見に行きたいけど、どうすればいいんですか?」と学生から聞かれることがよくあります。

 

色んな方に裁判を、実際に見てもらうことは有益なことだと思いますので、簡単に傍聴の作法を書きたいと思います。

 

裁判の中には非公開の手続もありますが、基本的には公開されているので、裁判所にいけば誰でも見ることができます。

芸能人の刑事事件などマスコミがくるような有名な事件は傍聴券(抽選)が必要ですが、ほとんどの裁判では傍聴券はありません。

 

まずは勇気を出して、裁判所の建物に入ってみましょう。

「いらっしゃいませ」とおもてなしを受けることはありませんが、さりとて警備員から「お客様困ります」と入れさせてもらえないこともないはずです。

なお、日傘・雨傘は法廷に持ち込めないので傘立てにおきましょう。

 

裁判所に入ったら、1階にある「開廷表」を見ましょう。

民事・刑事の事件別(大阪の場合はさらに地裁・高裁の別)にファイルがあり、何時からどんな事件の裁判がどこの法廷で開かれるか書いてあります。

最初のうちはいかにも「裁判」という感じがする刑事事件を見ることをおすすめします。慣れてきたら民事事件をみて「ふーん」と感じるのもいいかもしれません。

 

法廷に入る前に携帯の電源を切りましょう。

着信音を鳴らすと退廷させられることがあります。

なお、大学で私が担当する講義でも着信音を鳴らした学生を退席させることがあります。

 

法廷は出入り自由なので、裁判の途中から法廷に入ることも、出ることもOKです。

コンビニではないので、「開いててよかった」などと良いながら入らないでください。また、ドアはちゃんと閉めましょう。

裁判の途中から入ると裁判官や書記官がチラッとみるかもしれませんが、睨んでいるわけではなく、彼らなりの歓迎なので気にしないでください。

 

とはいえ、傍聴に慣れるまでは、開廷時間に間に合うようにいくといいでしょう。

 

法廷・法廷前の廊下では御静かに願います。とはいえ傍聴中寝ていると退廷させられることがあります。

メモを取ることは自由ですが、録画・録音・写真撮影は禁止されています。

法廷内は飲食禁止なので喉の渇きにご注意ください。

 

色々書きましたが、結局のところ法廷への出入りは自由で、静かに傍聴していただければ何の問題もないということです。

 

一度といわず、何度でも傍聴してください。

 

傍聴について大阪地裁のリンクを貼りますので御参考になさってください。

http://www.courts.go.jp/osaka/kengaku/botyo_qa/index.html

月並みですが…

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本日は、11月30日。

 

すなわち、今日で11月は終了。

明日から、12月(師走)です。

 

月並みですが、1年て、本当に早いですね。

 

1年前の今頃を振り返ると、自分にとっては激動の年で、最終決戦(何のこっちゃ)に向けて、テンションが上がっている時期でした。

 

弁護士業務の中で、民事訴訟案件における1年の位置づけを考えると、なんだかんだ言っても、多くの訴訟案件では、1年くらいかかっているのは実際かなと思います。

 

概ね1カ月から1か月半刻みで裁判期日が入り、その間、裁判所の休廷期間があったり、年末年始があったりすると、1年間に、1つの案件の裁判期日は10回に行くか行かないかくらいです。

 

一般の方からみると、やはり裁判は時間がかかるという感覚を持たれるかもしれません。

 

ただ、しっかりと案件と向き合って、依頼者のためにやるべき主張・立証をしていけば、ある程度時間がかかる(かける)ことはやむを得ないことも分かっていただければなと思います。

 

結局は、そういったことも、弁護士が依頼者にしっかり説明し、無駄に時間をかけていることでないということを理解してもらえるよう努力しないといけません。

 

弁護士の常識を世間の常識と思わず、しっかりと理解してもらうよう努めることを念頭に、明日から始まる12月を乗り切りたいと思います。

 

今年も実働日は、実質1ヶ月ありませんしね。

「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」について

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昨日(平成28年11月30日),日本弁護士連合会が「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」(以下「提言」といいます。)を発表しました(以下において,提言に記載されている算定方法を「新算定方式」といいます。)。

ざっと見たところ,新算定方式は,現在,家事調停・審判で用いられている「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」(判例タイムズ1111号285頁,家裁月報55巻7号155頁)記載の算定方式(以下「標準算定方式」といいます。)と比べても,計算の枠組み自体は変わっていません。

 

【計算の枠組み】

基礎収入

=総収入-公租公課-職業費-特別経費

権利者らの生活費

=(権利者の基礎収入+義務者の基礎収入)×権利者らの生活費指数/(権利者らの生活費指数+義務者らの生活費指数)

養育費等額(年額)=

権利者らの生活費×義務者の基礎収入/(権利者らの基礎収入+義務者らの基礎収入)

 

大きく変わると思われるのは基礎収入の算定方法,とくに,特別経費(住居関係費や保険掛金など)についてです。標準算定方式は基礎収入を算定する際に総収入から家計調査年報の統計値を控除しますが,新算定方式は一切控除しません。

その結果,基礎収入が大きくなり,職業費に関する変更点なども相まって「新方式では従来の1.5倍程度となる見込み」(時事通信)だそうです。

 

これから新算定方式と提言がどのような扱いを受けるのかはわかりませんが,この特別経費に関する変更点は,手当をしなければ,家庭裁判所もなかなか受け入れてくれないのではないかと思います。

標準算定方式は特別経費を一律に控除するため,個別の事案で,たとえばどれだけ住宅ローンが高額でも,特別経費に関する事情をほぼ一律に考慮しませんが,新算定方式のように特別経費を一律には控除せず「過大な住宅ローンの負担や障がい者のための特別な支出,私立学校に通う子どもの教育費など個別具体的な必要性に応じて,特別事情として考慮すべき場合がある」(提言4頁)としてしまうと,「特別事情として考慮すべき場合」か否かに関する争いを誘発することが目に見えているからです。

 

しかし,他の点,たとえば,公租公課の値を家計調査年報に記載された値ではなく実際の値を使うことは,すぐにでも受け入れられるでしょうし,生活費指数の年齢区分をもう少し細かくすることも段階的には受け入れられるのではないでしょうか。

 

以上雑感めいたもので恐縮ですが,昨日の今日,昨日発表されたものに対する今日の意見ということでご容赦頂ければ幸いです。

山の魅力

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今年もあと1か月をきってしまいましたね。

私も、ここのところ、仕事がたてこんでいて、あわただしい日々を過ごしています。

あっという間に年が明けてしまいそうな予感…

 

今日は(現実逃避も兼ねて)普段の仕事とはまったく関係のない話をしたいと思います。

 

私は、数年前、知り合いに登山へ連れて行ってもらったのをきっかけに、山の魅力にハマり、以後、山に登ることが増えました。

といっても、普段はなかなか時間が取れないので、近場の山(六甲山とか金剛山)へ行くことが多いのですが、年1回はまとまった休みを取って登りに行くようにしています。

 

ここ数年では、

 

   利尻山(北海道)

   立山(富山県)

   白山(石川県・岐阜県)

   焼岳(長野県・岐阜県)

   蝶ヶ岳・常念岳・燕岳(長野県)

   伊吹山(滋賀県・岐阜県)

   大山(鳥取県)

   開聞岳(鹿児島県)

   漢拏(ハルラ)山(韓国・済州島)

 

に行きました。

 

昨今の登山ブームに乗っかった感じは否めませんが、これが結構楽しいです。

登るのは確かにしんどいのですが、山に登っている間は、登ることだけを考えればいいですし、携帯電話の電波も届きにくくなるので、束の間(仕事も含めて)下界のことを完全に忘れられます。これが結構いいリフレッシュになるんです。

 

それから、自然の雄大さや美しさを肌で感じることができて、ほんと感動します。

お気に入りの場所は、北アルプス・常念山脈から見る槍・穂高連峰。

写真で見てもきれいですが、写真と実際見るのとでは、まったく違います(初めて見た時、不覚にも涙が出たくらい…)

 

登山技術は、まだまだ初心者の域なので、ちゃんと勉強して、これからも定期的に登りに行こうと思っています。

 

あ~、来年はどこへ登ろうかな…今からいろいろ計画(妄想)するのが楽しみです。

それまで、せっせと仕事頑張ります(^^)


今年の出来事

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大久保です。今年も12月になり、突然寒くなりました。

今回は今年の出来事を振り返ってみることにしますが、とりあえず思いついたものだけ書くことにします。

 

まずは6月のUK国民投票。

直前の世論調査では残留派がやや優勢かと思われていましたが、何と離脱派が上回り、仰天しました。

結果はともかく、投票前に離脱派が主張していたことをあっさり撤回していたのには呆れました。

たまたま離脱派の有力者だったボリス・ジョンソン前ロンドン市長が書いた「チャーチル・ファクター」という本が邦訳されていたので読みましたが、

なかなか面白い本でした。ただ日本人のノーベル賞受賞者に「前衛的な劇作家」がいるというのは、多分安部公房のことかと思いますが違いますね。

 

そして下半期に仰天させられたのがUSAの大統領選。

これも事前の予想を覆すものでした。ただ得票数自体はヒラリーが上回っていたようで、そのレベルでは当っていたかもしれませんが、

大方の予想を裏切りました。まさかトランプ氏が大統領になるとは。

 

この2つの出来事では一時的に株が暴落し円高になり、心臓に悪かったので、今後あまりこのようなことはないようにしていただきたいものです。

 

さてこの2つの超弩級サプライズに比べて、おめでたいサプライズが、ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞でした。

この話は受賞だけでなくその後の経緯も面白く、発表があっても本人は長く沈黙したままで、 辞退するのでは、と思いきや、突然受賞の喜びのコメントを出し、

しかし授賞式と晩餐会には先約があるから欠席するとか、もう訳が分かりません。私は辞退は格好悪いからやめてほしかったので一安心です。

 

そして昨日、授賞式には「友人の歌手」が歌を披露というニュースが(NHK)。

何だよ友人って、と思ってたら、パティ・スミスで、「激しい雨が降る」を歌うそうです。

私としては授賞式当日、晩餐会の外で本人が路上ライブをしてほしかったのですが、パティ・スミスは「ジャスト・キッズ」という著作(傑作です)もあり、

村上春樹の著作の書評も書いてるし、文学的才能を評価したということでしょう。選曲もまあいいのではないでしょうか。「天国の扉」を歌うのもどうかと思いますから。

 

このようなサプライズに比べると、日本はそこそこ安定していた一年だったのではないでしょうか。また来年もよろしくお願いします。

メンタルヘルスと「忠臣蔵」

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 今年,某広告代理店で起きた出来事を上げるまでもなく,職場でのメンタルヘルスに対する関心が高まっている。一人の女性の悲痛な死が,会社を,社会の意識を少なからず変えたことは否定できまい。

 

 ストレスのせいで個人がその能力を発揮できないことは,本人にとって不幸なだけでなく,組織としての戦力喪失・機能低下につながるという意味でも深刻だ。従業員一人ひとりが過大なストレスを感じる就労環境が続けば,安定的な事業の継続はおぼつかない。下手をすれば組織の存続も危うい。

 

 それにしても,何で我が国はこんなにストレスを抱える社会になってしまったのだろう。
 心理の専門家によれば,人間関係によるストレスをいやすのは,受容と共感を基礎とした人間関係でしかないとのことだ。しかし私たちは,ともすれば,そうした人間関係が希薄な社会に生きている。

 

 高度情報化社会になって,思考や感情を表現したり伝えたりするツールがどんどん発展し,便利になっていった。就寝前につぶやいた,たった一言が瞬く間に全国全世界に知れ渡る時代だ。その一方で,プライバシーや情報機密の必要性が強調され,「伝えることと伝えないこと」に,より一層深い注意を向けざるを得なくなった。

 

 道具の進化に伴って,私たちの「『素の人間』としての伝える力」「道具を使いこなす力」も発達しなければならないはずだが,「伝えること」が容易になって,安易に「伝えること」ができるようになった分,その力は逆に退化してきているのではなかろうか。いつでもどこでも「伝えること」ができる社会の中で,伝えるタイミング,場面,伝える言葉の使い方,感情表現の仕方について,私たちは知らず知らずのうちに「へたくそ」になってきてはいまいか。

 

 私たちのコミュニケーション能力が低下したことが原因で,精神的ストレスが増大しているのだとすれば,現代社会の病弊の原因もなんとなく見えてくるような気がする。

 

 ところで,師走の14日と言えば「忠臣蔵」だが,浅野内匠頭が殿中で刃傷に及んだ原因については諸説あり,抑うつ状態による発作的な暴行だったのではないかという指摘もある。もともと不安定だった浅野の精神状態に,吉良との意思疎通不全が負荷となり,発作的行動を引き起こしたのだとすれば,その行動が結局赤穂藩300人の家臣の人生を激変させたことを考えると,改めてメンタルヘルスの重要性を思わざるを得ない。

 

1/24 「企業力向上セミナー ~新たな価値を生み出すアイデアとマネジメント~」を開催します

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1/24 三会協働知財支援プロジェクト「企業力向上セミナー ~新たな価値を生み出すアイデアとマネジメント~」を開催します。

1人、スマイル

 

◆三会協働知財支援プロジェクトとは◆

 

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・日本弁理士会近畿支部(以下「三会」といいます。)は、2003年にバイオサポーターズ三会協議会を設立し、法務・財務・知的財産の側面からベンチャーの起業及び経営を支援するために、三会協働事業を推進し、弁護士・公認会計士・弁理士が一堂に会して知識・スキルの向上に努めてまいりました。

 

本年度は、この取り組みをさらに強化し、主に中小企業やベンチャー企業の皆様の成長力強化や新規事業創造の学びの場を提供するために三会協働知財支援プロジェクトとして本セミナーを企画しました。

 

三会協働事業としては、経営と知財をテーマとした対外向けのセミナーの開催は今回が初めての試みとなります。

 

どうぞ皆様、奮ってご参加ください。

 

日 時:2017年1月24日(火)
    午後6時00分~午後8時30分
会 場:日本公認会計士協会近畿会
(大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル2階)
参加費:無料
定 員:150名(先着順)

※お申込みをもって受付とさせていただき、参加票等の発行はいたしません。

 

申込方法 :下記ページの参加申込フォームからお申込みいただくか、チラシを印刷して所定の事項を記入のうえ、ファックスにてお申込みください。

 

<申込フォーム>
https://www.osakaben.or.jp/web/entry/form.php…

 

<詳しくはこちら>
http://www.osakaben.or.jp/event/2017/2017_0124.php

 

 

他者受容を基調となる世界を求めて

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こんにちは。室谷光一郎です。

 

年末も近付き、皆さん、今年を振り返られることが多いのではないでしょうか。月並みですが、私も色々と振り返りつつ、そして、来年に思いを馳せている今日この頃です。

 

そして、そんな中、今年の世界は「分断」と「他者理解の欠如」だったのではないかと感じております。

 

ご存知の通り、世界的に、経済、政治の分野において保護主義的な傾向が高まり、「異なる」他者を理解しようとするとよりも、「異なる」他者との違いを強調し、〇〇ファーストなどという自己中心的な風潮となっております。自己と他者を分断し、分断した他者に対する共感をすることはおろか、他者を理解しようともしない、そんな社会風潮となっていることがとても気になります。

 

弁護士の仕事は依頼者の代理人となって、「他者」である相手方と交渉をしたり、裁判をすることですが、「他者」である相手方の真意や主張を理解しないと、妥当な結論を得られないことが多々あります。私たちの日常生活や業務においてさえ、他者理解はとても重要なことです。

 

それにもかかわらず、世界は「分断」、「他者理解の欠如」へと迷走しているように思われ、正直、暗澹なる思いを持っております。

 

が、そんな思いの中、久しぶりに、トルストイ「戦争と平和」を読み直しました。ナポレオン戦争のさなかのロシア貴族の興亡を青年の恋と新しい時代への目覚めを点描しながら描かれている小説ですが、貴族と農民、ロシア人とフランス人、男と女が、互いに分断し、他者のことを理解しない中で、時代の変革の予兆を感じながら、農民という大地に足がついた人々の視点から様々な分断を統合し、そして、他者理解がなされていく様が描かれております。

 

確かに、現在、世界は、「分断」、「他者理解の欠如」の迷走かもしれません。が、大地・日常生活に足がついた人々の視点がもっと重視され、そして、大地・日常生活で連続している他者へと想像力を働かすことができるような時代になれば、現在の時代は乗り越えられるのではないか、そんな気がしております。

 

来年は、「他者受容」を基調となる世界であって欲しいと思います。
 

 

 

 

 

住宅に関する無料専門家相談のご紹介

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 本日は,私が運営委員会の副委員長を務めさせていただいている「大阪住宅紛争審査会」で行われている,住宅に関する無料専門家相談についてご紹介致します。

 

 ご相談いただける内容は,「評価住宅」「保険付き住宅」に関する相談,住宅リフォームに関する相談となります。

 弁護士と建築士がペアで,大阪弁護士会の相談室等で1時間の相談に応じます。費用はかかりません。

 

 ご相談を希望される方は,住まいるダイヤル(電話番号:0570-016-100,受付時間:午前10時~午後5時)にご連絡の上,予約をとっていただくことになります。

 

「評価住宅」や「保険付き住宅」に該当するかどうかわからない場合にも,お気軽にご相談下さい。

 

 詳細につきましては,以下のページをご覧下さい。

 

http://www.jyuhunosaka.jp/02/a.html

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