広報室 加藤慶子です。
日本弁護士連合会より、
というリーフレットが発刊されています。
夫婦同氏制については、昨年12月16日に、
注目の最高裁判所大法廷の判断がありました。
この最高裁の解説と、日弁連の考え方が紹介されています。
興味のある方は、一度ご覧になってください!
広報室 加藤慶子です。
日本弁護士連合会より、
というリーフレットが発刊されています。
夫婦同氏制については、昨年12月16日に、
注目の最高裁判所大法廷の判断がありました。
この最高裁の解説と、日弁連の考え方が紹介されています。
興味のある方は、一度ご覧になってください!
~弁護士に聞いてみよう。誰も住まなくなった、あの家のこと~
「空家無料電話相談窓口」を開設しました!
大阪弁護士会では、空家に関する市民のみなさまの相談を受けるために、相談窓口を開設しました。
お電話は大阪弁護士会事務局につながり、ご質問内容などをお伺いします。その後、担当弁護士から3営業日以内に折り返しお電話がありますので、20分程度お電話にてご相談願います。
※1事案につき、お一人様1回のみ20分まで無料でご相談いただけます。
※相談受付時間は平日(月曜日~金曜日)午後1時~午後4時です。
問合せ先:06-6364-5500
担当窓口:大阪弁護士会委員会部司法課
http://www.osakaben.or.jp/info/2016/2016_0527.php
自治体からのご相談は…
☞行政連携センターのホームページにある弁護士紹介制度を御利用ください
http://www.osakaben.or.jp/01-aboutus/gyousei/index.php
6/18 「日本はどこに向かうのか?PartⅥ ~またまた安保法制と秘密保護法を考える~」を開催します。
秘密保護法に続き、安全保障法制も施行されました。これらの法制等の施行により私たち市民の生活にどのような影響が生ずるのか、これに対して私たちは何をすべきなのかを検討し、日弁連及び当会の安全保障法制の廃止を求める運動をどのように展開するのか、を考えます。
(本イベントは、日本弁護士連合会人権擁護大会プレシンポジウム・司法改革大阪各界懇談会200回記念イベントとして開催いたします。)
第1部 基調講演
講師:谷口 真由美さん
(大阪国際大学准教授、全日本おばちゃん党代表代行)
第2部 憲法演劇「せんそうがおきるまで」
脚本・上演:『劇団あすわかひょうご』
第3部 憲法座談会
登壇者:谷口 真由美さん
劇団あすわかひょうご 安保関連法に反対するママの会
SADL T-nsSOWL WEST
ほか(出演者は変更となる場合があります。)
■日 時 :6月18日(土)
午後1時30分~午後4時30分(開場:午後1時)
■会 場 :大阪弁護士会館 2Fホール
※公共交通機関でのご来場にご協力ください。
■定 員:600名
(※申込不要・参加者多数の場合は先着順の入場とする場合がございます。)
昨日、覚醒剤自己使用罪などに問われている著名な元プロ野球選手の被告に、懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。
覚醒剤自己使用罪は、起訴される犯罪の中では数が多く、比較的単純な事案が多いため、多くの弁護士が若いうちに弁護を経験しますし、それぞれに、さまざまなノウハウや思い出を持っています。
私も、司法修習生時代に、外国人男性の公判廷を傍聴したことがあります。この男性は所持していたパスポートの氏名で起訴されたのですが、覚醒剤の影響からやせ細っていて、パスポートの写真とは似ても似つかない風貌でした。法律家の卵としては、「もしパスポートの本人と違っていたら、判決の効力はどうなるのだろう?」と心配だったのですが、逮捕されて覚醒剤断ちしたことや、拘置所の食事がよかったのでしょう。公判を重ねるにつれ、みるみる太っていき、判決言い渡しのころには、写真そっくりになっていました。
覚醒剤の常習者は、痩せるだけでなく、幻視や幻覚を体験するようになります。おびえて自首する人もいますが、そうでなくても、挙動不審で職務質問を受け、任意同行から逮捕に至る人が多数です。任意同行された警察署では、尿の提出を求められ、応じない場合には、強制採尿すると言われます。強制採尿は、下半身を裸にされ、押さえつけられて尿道から膀胱に管を差し込まれるという屈辱的な手続です。
尿から覚醒剤の成分が検出されれば逮捕です。もっとも、採尿手続の不備によって、本人の尿と特定できず、無罪になる例もあります。
有罪確実な場合、弁護人としては、保釈と執行猶予判決を取ることに全力を注ぎます。初犯で罪を認め、身元引受先がある場合には、保釈が認められる可能性は高いといえますが、保釈保証金として、一般に150万円から300万円が必要です。逃亡など、保釈条件に違反しなければ戻ってくるお金ですが、それでも、工面するのは大変です。全国弁護士協同組合が保釈保証書発行事業を行っていますので、こちらに依頼することも一案です。
覚醒剤自己使用罪では、初犯で罪を認めている場合、執行猶予のつく可能性は高いといえます。それでも、使用量が多かったり、使用年数が長く、他人と一緒に使用したりするなど、犯情が悪質な場合には、実刑になる可能性も否定できません。今回の事件では、弁護人が「保護観察つき執行猶予判決」を求めた、と報じられていますが、弁護人から「保護観察」を求めるというのは、比較的珍しいといえます。もし、実刑判決が予想されるのであれば、弁護人は判決言渡日に、控訴状と再保釈申請書を用意して出頭します。用意せず、判決をもらってから慌てる弁護人は、かなりウデが悪いとみてよいでしょうね。
実刑が言い渡されると、保釈の効力は直ちに失効します。そのため、判決言い渡しと同時に、被告人の身柄が拘束されてしまいます。現実には、いかにも警察出身という体格のよい人が二人、法廷の傍聴席で待機していることが多いので、判決言い渡し前に「実刑だな」と予想がつきます。傍聴席に誰もいなければ、執行猶予の可能性大です。弁護人にとって、法廷に入るその瞬間が、一番緊張するときであったりします。
執行猶予判決が言い渡された場合、保釈されている被告人は、そのまま法廷を出て帰れます。ただし、保護観察処分つき執行猶予判決の場合には、法廷から別室に案内され、保護観察の説明を受けることになります。このときは、案内役の裁判所職員が待機していることが多いのですが、多くの場合、体格が明らかに違うので、「実刑ではなく保護観察つき執行猶予」と分かります。覚醒剤事件の保護観察では、定期的な保護司との面接や、尿の提供、再犯防止のための教育の受講などを求められ、守らなければ、執行猶予を取り消されることもあります。
私も、覚醒剤事件の弁護を多く担当しました。被告人の中には、更生しましたと感謝のご挨拶に来られた方もいましたが、「きっとまた覚醒剤に手を出すだろうなあ」と思って別れた人も少なくありません。覚醒剤事案は再犯率が高く、更生のための社会のありかたが問われています。一度覚醒剤に手を染めたからといって疎外するのではなく、見守りながら受け入れる家庭や社会の必要性を痛感します。
≪大阪弁護士会広報誌≫【オピニオンスライス】俳優 賀来賢人さんのインタビュー記事を掲載しました。
テレビ朝日 木曜ドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」に出演中の賀来さんに、俳優になったきっかけ、演技のおもしろさなど伺いました。
詳しくはこちら(PDF)↓
http://www.osakaben.or.jp/…/db/…/2016/oba_newsletter-177.pdf
最近、高齢化社会がかなり進んできだからでしょうか、相続に関する相談を受ける機会が非常に多くなっています。
その中でも特に「おひとりさま」、つまり、結婚をされていないか、されたとしても結婚相手と死別したり離婚された方で、お子様もいらっしゃらない方からの相談を非常に多く受けます。
よく受ける相談としては、「おひとりさま」本人が亡くなったとき、自分の財産を、生前にお世話になった方だとか、生まれ育った都道府県や市町村などの地方公共団体だったり、難病の子供を支援する病院とか障害者福祉施設といった特定の団体に寄付したいけど、どうすればいいか、といった内容です。
実は、「おひとりさま」が亡くなった場合、何も相続対策をしなければ、まずは両親や祖父母といった方(直系尊属といいます。)が相続人資格者となります。
ところが、これらの方が既にお亡くなりになっているケースがほとんどだと思いますので、通常は「おひとりさま」の兄弟姉妹、さらに、兄弟姉妹がお亡くなりになっている場合には、その方のお子様も相続人となります。そのため、相続人が10人以上となることもよくあります。
このような場合、一般的に、まずは、誰かまとめ役となる人が、全ての相続人に連絡して、遺産の分け方を協議することになると思います。
ところが、そもそも連絡先が分からない人が出てきたり、連絡先が分かったとしても、亡くなった方との縁が薄いために関与したくないといった人が出てきたりします。
さらに、相続人のうち誰か一人でも遺産の分け方に反対すれば、やむを得ず、裁判所で手続きせざるを得なくなり、解決するまで数年間もかかったりすることがありえます。
これでは、「おひとりさま」の相続人に対して、多大な負担をかけることになりかねません。
では、どうすれば、そのような事態を回避することが出来るのでしょうか。
一番簡単なのは、「おひとりさま」本人が遺言書を作成することです。
全ての文章を自筆で書くことや、氏名・日付の記入、本人の印鑑を押すこと(実印が望ましいでしょう。)等、法律で決められた内容を守れば、本人でも遺言書を作成できます。
ただし、遺言書の具体的な記載内容については注意が必要です。
例えば、読み方によっては2通り以上の考え方があり得るなど、相続人間で誤解を招くような文章が書かれていたり、具体的な財産の分け方を書かずに単に財産の分け方の割合だけを書いたりした場合などには、かえって紛争の原因となることもあります。
したがって、「おひとりさま」が遺産の具体的な分け方についてある程度決めたら、一度は弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士への具体的な相談方法ですが、まずは少し話を聞きたいということであれば、20分限定ではありますが、大阪弁護士会で電話での無料法律相談を行っています。
http://soudan.osakaben.or.jp/center/igon/01/index.html
電話番号は、06-6364―1205番です。
月曜日から金曜日までの平日午前9時から正午、また、午後1時から午後5時まで受け付けております。
遺言・相続分野を重点的に取り扱っている弁護士が相談を受けますので、まずはお気軽にお電話下さい。
6/10 「全国一斉労働相談ホットライン」を実施します。
~ 会社でけがをしたのに「労災手続」を取ってもらえない
~ 明日から来なくてもいいと言われた
~ 求人広告よりも賃金が低かった
~ 上司から怒鳴られる・・・・など、
残業代未払い、突然の解雇、バイトの労働環境など、様々な労働問題に対し、無料電話相談を実施します。
日 時:6月10日(金)午前10時~午後8時≪大阪会場≫
電話番号:0120-610168(フリーダイヤル)
※本電話番号は、相談日以外はご利用いただけません。
http://www.osakaben.or.jp/event/2016/2016_0610.php
各地の実施状況については、日本弁護士連合会のホームページをご参照ください。
http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2016/160610.html
毎週月曜日よる6時30分からお送りする、MBSラジオ1179「弁護士の放課後 ほないこか」
本日出演の新レギュラーは、野口雄一郎弁護士です。
また本日の≪法律のほ~≫のコーナーでは2本立てでお送りします。まずは、6月10日に実施される「全国一斉 労働相談ホットライン」について、大阪弁護士会 貧困・生活再建問題対策本部の中西基弁護士にご紹介していただきます。
http://www.osakaben.or.jp/event/2016/2016_0610.php
続いて、6月18日に行われれる、日弁連 人権擁護大会 プレシンポジウム「日本はどこに向かうのか PartⅥ ~またまた安保法制と秘密保護法を考える」について、大阪弁護士会 憲法問題特別委員会の太田健義弁護士、中平 史弁護士にご紹介いただきます。
http://www.osakaben.or.jp/event/2016/2016_0618.php
今夜の放送も、お楽しみに!
ードローンの怖さ、知っておきませんか?ー
ドローンは救助活動や商業活動だけではなく、個人のレジャーでも活用され始めており、昨今、なにかと話題になっています。
高性能な撮影危機を搭載している機体が安価で購入できるようになっており、市民の皆さんの私生活が知らず知らずのうちに撮影され、インターネットに動画としてアップロードされる・・・。
ドローンが身近になったがゆえに、このような事態は、撮影者に悪気がなくとも不注意のうちに起こりうるようになりました。
本研修ではそのようなドローンによるプライバシー侵害について、法情報学や無人機の技術に精通した先生方に、問題点や解決策について講演・ディスカッションしていただきます。
ドローンを飛ばす人も、飛ばさない人も、是非この機会に、プライバシーの保護とドローンの健全な活用方法について考えてみませんか。
■基調報告■
大阪弁護士会 情報問題対策委員会
■講演・ディスカッション■
鈴木 正朝 教授(新潟大学法学部)
小林 正啓 弁護士(大阪弁護士会)
日 時 :6月17日(金)午後6時~午後8時
会 場 :大阪弁護士会館2階 201・202会議室 (大阪市北区西天満1-12-5)
参加費:無料
問い合わせ先 :大阪弁護士会 委員会部 人権課
TEL.06-6364-1227
大阪弁護士会広報委員会の伊田です。
本日は広報委員会での業務についてお伝えしたいと思います。
広報委員会とはざっくりとご説明すると,大阪弁護士会の会員向けに情報を提供するという役割を担っています。
現在,情報提供において中心的な役割を果たしているのが毎月発行される月刊誌です。
月刊誌では,破産手続きで気を付ける点といった弁護士実務的な情報が主なのですが,読み物としての面もあるため,月刊誌の冒頭で色々な方にインタビューをさせて頂き,記事を掲載しております。
私は,月刊誌の編集会議に出席するとともに,インタビュアーを務めています。
インタビューの対象になる様な方は,強い信念を持っている方が多く,話を聞かせて頂いて,私自身がとても勇気づけられることが多いです。例えば,昨年インタビューをさせて頂いた女優の波瑠さんも,強い信念を感じさせられる方で,さすが朝ドラのヒロインに選ばれる方だなと感じました。
インタビュー記事では,記事を読んでいただいた方にも,インタビュー対象者の強い信念が伝わり,読んだ人が勇気づけられるような記事になる様,心がけております。
この記事は,大阪弁護士会のホームページにもアップされています。一般の方も閲覧可能ですので,是非,下記URLからご一読ください。
http://www.osakaben.or.jp/matter/db/pdf/2016/oba_newsletter-153.pdf
前回に続き、私が法律監修をさせて頂いているドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」のお話です。
ドラマも本日8話まで進み、来週でいよいよ最終話という終盤です。
ということで、内容をここで書きたいのですが、それはできませんので、別の話題を。
今回は、このドラマにおいて、私がどんな関わり方をしていたのかについて、少し書いてみたいと思います。
今回、私は、台本作成前の打合せから台本完成段階まで、法律家の観点から、アイディアを出させて頂いたり、台本内容の検討をさせて頂きました。具体的には、1話ごとに、初稿作成までのアイディア段階の過程では、私の実務経験や知見、実務状況、裁判例等を出させて頂き、ディスカッション等を行っておりました。そして、次の台本という形になってからは、初稿から5~6稿・・・と台本の完成までは、何度も何度も台本を読ませて頂き、用語チェック、法律・裁判例・実務との整合性等について細かく検討して指摘させて頂いておりました。
こうして書くと、きわめて地味な作業ですが(笑)、作品を作る過程に少しで関与することができ、やはり、楽しい業務です。
他方、私は、視聴者の方がこのドラマを見て、弁護士さんってここまでしたり、考えたりしているんだあ、思ったよりも責任感を持って仕事をしているんだなあと感じてもらえたらという思いがあり、「リアルさ」と「弁護士倫理」を意識して法律監修業務をしておりました。
つまり、弁護士業務は、外から見ると、何だか「得体のしれない」ものに感じられるかもしれませんが、実は、地味で、コツコツすることが認められており、そのような業務の上で成果が出てきたりするという弁護士業務の「リアルさ」を少しでも感じてもらえたらなあと思っておりました。また、弁護士は依頼者の人生や命運を左右しうる重要な事柄をあつかっているからこその倫理が要求されるという「弁護士倫理」(だからこそ、頼りがいがある)の側面も少しは見てもらえたらなあと思っておりました。
さて、そんな私の思惑がどこまで実現できたのか、こればかりは、皆様方のご判断に委ねるしかありません。
ということで、本日の8話、来週の最終話9話とぜひぜひご覧くださいませ。
弁護士の中林祐太と申します。
お初にお目にかかります。どうもです。
今後ともよろしくお願いいたします。
さてさて、弁護士を名乗ると、たまに聞かれる質問があります。
「弁護士って、六法全書を全部覚えてはるんですよね?」
・・・お気持ちは分かります。分かりますが、残念ながらそんな弁護士はおりません。あんなもん全部覚えてたら脳がいくつあっても足りません。(いらっしゃったらごめんなさい。その場合は、暗記方法を当職にコッソリ教えて下さい。)
というか、法律は日々改正されているので、暗記したところで一瞬で条文が過去のものになってしまうのです。
そうここはまるで賽の河原。
いちいち覚えてられません。
では、弁護士は法律の改正や判例の変更、新しい制度のアップデートは全くしていないのか。
否。
そのために、弁護士会等において各種研修が行われます。
弁護士だって日々勉強するんです!・・・・一応。
弁護士会館では、毎日、ありとあらゆる研修が開催されています。
成年後見、遺言相続、憲法問題、裁判員裁判エトセトラエトセトラ
例えば、最近話題の「刑の一部執行猶予制度」とかも施行前に研修がありました。行きました。勉強になりました。
そうやって、各弁護士は自らの手帳とにらめっこしながら、せっせと研修を受けて、自己研鑽に努めるわけです。
そう、依頼者の利益ために。(ドヤァ
とはいえ、大阪弁護士会での研修の質の高さは相当なものです。いやマジで。
登壇して講演・講義をして下さるのは、各分野の最前線で活動しておられる裁判官や弁護士の方ばかり。
研修に行くたびに、目から鱗が止まりません。
(先日、ナニカの間違いで登壇させられたのですが、場違いすぎて死ぬかと思いました。)
そのほか、弁護士会の研修だけではなく、弁護士同士でも何人かで勉強会を組んで勉強している場合もあります。
弁護士だって勉強するんです!
大事なことなので二回いいました。
ここから少し真面目に。
弁護士になったからといってそれはゴールではありません。
より良い法的サービスを提供するため、貪欲に最新の情報を入手し、自らのものとする。
そのサイクルのスタートに立っただけです。
自分のところに来てくれたお客様には少しでも良いものを持って帰ってもらう、そのために弁護士は勉強するのです。
だって、弁護士もサービス業なんですから。
僕は勉強が嫌いです。生まれてこの方ずーっと。
でも、相談者・依頼者の方々のために、勉強をします。
お金をいただいて働くのですから、それは当然のこと。
これからも、弁護士じゃなくなるその日まで、日々勉強していきたいと思います。
-----------------------------
ここからは告知です。
告知しろと天の声が聞こえてきた気がするので、告知します。
私が所属している大阪弁護士会空家対策プロジェクトチームでは、
5月18日から、「空家電話無料相談窓口」を設置しました。
電話番号 06-6364-5500
空家問題につき、お一人様一回につき20分の電話相談が無料です。
詳しくは、このURLをクリック!!
http://www.osakaben.or.jp/info/2016/2016_0527.pdf
身の回りに空家のある方、空家を所有しておられる方、とりあえず電話ください。
空家問題について勉強した選りすぐりの弁護士から電話がかかってきます。
よろしくお願いします。
告知終わり。
-----------------------------
ではまた皆様。
どこかでお会いしましょう。
はじめまして、今年度ブロガーにならせていただいた辻村幸宏と申します。
私、弁護士14年目の39歳、3人の子どもの父親であります。
どうぞよろしくお願いします。
好きなものは、70年代日本のフォークソングですが、ギターは弾けません(Fで挫折しています)。
これまで全く楽器とは無縁でしたが、現在、娘のピアノの発表会での家族セッションに向けてウクレレを猛練習中です(この歳で初心者ですから1曲をものにするのも大変です。夜中にひっそりポロロンと鳴らしております。)。
また、当会所属の角田龍平弁護士に巻き込まれ、「角田龍平のオールナイトニッポンポッドキャスト」大阪収録の協力をしたり、弁護士3名で弁護士会非公認のポッドキャスト番組『ベントーク』をひっそり配信させていただいております。
少々くだけ過ぎた内容かもしれませんが、よかったら聴いてみてください。
長たらしい自己紹介はこれくらいにしまして(でも最初が肝腎ですよね。お前誰やねんというところから読むわけですからね。すんません、このフォローも長いですね。)、初投稿のテーマに入ります。
題して「質問思考と心の三角柱」です。
私、弁護士3年目あたりで所属事務所に後輩が入ることになり、兄弁としてきちんと指導してあげたいなと思い「コーチング」を学び始めたのですが、単純にやってて面白くなってしまい、勢い余って文科省所管の生涯学習開発財団というところが認可する「認定コーチ」という資格を取りました。
今もコーチングの知識を事務局とのコミュニケーションの他いろんな場面で活かしたり、ときどき研修とか自主勉強会みたいなものもやっています。
で、そのコーチング関連の書籍には、心理やコミュニケーションを扱う面白いものが多いのですが、特におすすめなのが
「すべては「前向き質問」でうまくいく 質問思考の技術/クエスチョン・シンキング」(マリリーGアダムス著 中西真雄美訳/ディスカヴァートゥエンティワン)
です。
ヘッドハンティングされて鳴り物入りで入った会社で思うような成果を出せず、部下との関係も最悪、妻との関係まで台無しになりかけていた悲劇の主人公ベンが、「質問好きなコーチ」ジョセフとの対話を通じて、質問思考を身につけていくという胸のすくストーリーです。結構泣けるシーンもあるので、とにかく読んでみてください。
さて、このストーリーの中でキーワードとなるのが、「批判者」と「学習者」です。
批判者は、問題にぶつかったときに、思考・感情・環境に習慣的に反応し、
「なにが悪いのだろう?」
「誰のせいだろう?」
「どうして私が嫌な目に遭うのだろう?」
という質問を無意識にしてしまい、ネガティブな意見を述べるだけで解決のための行動を起こしません。
一方、学習者は、問題にぶつかったときに、このような反応をせず、頭の中で
「なにが機能するだろう?」
「私はなにに責任を持つべきだろう?」
「私はなにを学べるだろう?」
という質問をし、問題解決のための行動を起こしていきます。
その根底には、人はどんな状況でも選択できる、という考えがあります。
もちろん、学習者になろう、ということになるわけですが、とはいえ学習者も常に学習者でいられるわけではなく、やはり、ついついいろんなことに反応して批判者になってしまいます。それはもう、仕方ないことです。
でも、そんな場合でも、落ち着いて
「私は今批判者になってはいないだろうか?」
というスイッチングクエスチョンを唱え、いつでも学習者の道を選択し直すことができます。
そして、あらためて頭の中のネガティブな質問を学習者の質問に変えて、学習者の道に戻ることができるのです。
この本では、上に書いた方法論を、「選択の地図」というシンプルな一枚の絵で表し、トライしやすいように工夫されています。
物語の中でも、ベンが家に「選択の地図」を持って帰って冷蔵庫に貼っておくと、妻のアレクサの方が(ジョセフから何も教えを受けていないのに)先に質問思考に開眼してしまうシーンがあります。
こういうのを聞くと、「こんなのきれいごとに過ぎないよ」とか、「学習者って、そんな聖人君子みたいなポジティブな考え方俺にはできないよ」とかいろいろなツッコミがよぎるかもしれませんが、この質問思考のポイントは、性格のよしあしや内面の強さ弱さとは無関係に、単に質問を置き換える技術として身につけることができ、そして、技術さえあれば、人は誰でも学習者になれるというところにあると思っています。
要するに、特に頑張らなくても、上記フローに従ってスイッチングクエスチョンと学習者の質問をルーティン的に実行しさえすれば、誰でも効果的な行動が起こせるわけです。もっと言えば、どんなネガティブな思想の持ち主でも、ポジティブな質問を創ることによって、脳みそを騙してポジティブな考えに持って行ってしまえるというわけです。
「人は楽しいから笑うのではなく、笑うことで楽しい感情を作り出している」とか、カールルイスはゴール前に意識的に笑顔を作ることで力を出し切っていたとかいうような話を聞いたことがありますが、フォームがマインドに影響するという意味で、似たようなことかなと思っています。
例えば、寝坊して遅刻しそうになったときの頭の中は、
「なんで昨日目覚ましをかけへんかったんや?」
「なんで妻は起こしてくれへんかったんや(それになにをまだねとんねん!)?」
「そもそも昨晩遅くまでおもしろない上司に付き合わされて飲んだから起きれへんかったんや、上司はなんで俺の邪魔ばっかりするねん…?」
とか、そんな感じでしょうか(だいぶダメな人を想定していますかね…)?
想像するだけでも、こういうときは目は充血し、心臓がバクバクし、息は荒れてるって感じですね。
と、ここでスイッチングクエスチョンを繰り出すのです。
「ちょっと待て、わて、批判者になってへんか?」と。
次に、深呼吸して、批判者の質問を学習者の質問に変えましょう。
「今できるベストなことって何やろう?」
「いつものルートより早く行ける方法はあれへんか?」
「遅刻を伝えるべき範囲は?連絡の優先順位は?」
などなど。
この質問を頭に浮かべた時点で、心臓の鼓動はスッと収まり、集中して準備に取り掛かれそうですよね。
このような思考を技術として身につけることで、問題解決モードに切り替えることができます。ぜひ、お試しください。
と…いうわけで、質問思考について、ちょっとご紹介させていただきました。
長くなりすぎたので「心の三角柱」については、さらっと触れる程度にします。
大ベストセラーとなったアドラー心理学の本「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社)の続編となる、「幸せになる勇気」(同上)に、カウンセラーの使用する「心の三角柱」がでてきます。
三角柱の二面には、
「悪いあの人」
「かわいそうなわたし」
と書いてあり、最後の一面には、
「これからどうするか」
と書いてあります。
カウンセリングでお話を聴く際には、各面を見せながら今何の話をしているかを自覚してもらいながら聴くようなのですが、だいたいの場合は「悪いあの人」「かわいそうなわたし」の話に終始するようです。
これらの話をいくら聞いても一時のなぐさめにはなっても、明日からどう生きて行くかの答えにはならず、問題解決のためには「これからどうするか」を語り合うべきだというのです。
「悪いあの人」「かわいそうなわたし」は、まさに先ほど書いた批判者の考え方であって、一方「これからどうするか」はそれ自体が学習者の質問です。
私は、これを読んだときに、先ほど挙げた質問思考の考え方と相通じるところがあるなと感じ、コーチングとアドラー心理学に横串がささったように思いました。
根底に、人は過去に縛られず、いつでも自ら「選択」できるという思想があり、そこに自由さを感じ、勇気付けられたのです!
……ちょっと胡散臭い話っぽくなってしまったかもしれませんが、セルフマネジメントツールとしても、依頼者や相手方とお話をさせてもらうときの考え方としても、こうした考えは割と役に立つのではないかと思います。
私、コミュニケーションや心理学が割と好きなもので、今後も、このような話をちょいちょい紹介させていただけたらな、と思っています。
今後ともよろしくお願いします。
毎週月曜日よる6時30分からお送りする、MBSラジオ1179「弁護士の放課後 ほないこか」
本日出演の新レギュラーは、本間亜紀弁護士です。
≪法律のほ~≫のコーナーでは、法的ニーズが存在するところに、弁護士が積極的に出かけていく【アウトリーチ活動シリーズ】の第2弾として、大阪弁護士会 高齢者・障害者総合支援センターの高橋昌子弁護士に、『成年後見人の活動』についてお話いただきます。
今夜の放送も、お楽しみに!
※成年後見について、くわしくはこちら↓
<大阪弁護士会 高齢者・障害者総合支援センターHP>
http://soudan.osakaben.or.jp/himawari/index.php
6/24 「女性の権利・LGBTのための電話相談」を実施します。
~妊娠・出産のため退職を強要された~
~娘(息子)が性暴力被害に遭った~
~性同一障害や性的な指向を理由に、いじめられている~
~夫の暴力から逃げたい~ ・・・など、
女性に対する暴力(DV、レイプなどの性暴力被害、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー)、離婚に関する諸問題、職場における性差別など、女性の権利に関する電話相談を実施します。
また、LGBT(例:同性愛、トランスジェンダーなど)の方や関係者の方からの法律相談もお受けします。女性の権利やLGBTの問題に詳しい弁護士が、対処の方法や正しい法律知識を提供し、適切なアドバイスを行います。お気軽にご相談ください。
日 時 :6月24日(金)午前10時~午後4時
電話番号 :06-6311-6015
電話相談後、法律相談または弁護士の紹介を希望される相談者には、当会総合法律相談センターを紹介いたします。
公職選挙法の改正により、選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられました。
総務省の「18歳選挙」のサイトには、「私たちの将来は、私たちが決める。」とのコピーが踊っています。
この国では1人1人が優劣なく平等に主役ですから、国政選挙等のレベルでいえば「私たちのことは私たちで決める」ことになり、個人のレベルでいえば「私のことは私が決める」ことになります。
「私のことは私が決める」
当たり前のことのようでいて、その実現は簡単ではありません。
なぜならば、自分一人のことではなく、相手方にも関わることである場合、Aさんにとっての「私のことは私が決める」とBさんにとっての「私のことは私が決める」は、衝突・対立することがままあり得るからです。
例えば、Aさんが交通事故の加害者でBさんがその被害者である場合、Aさんが「Bさんに対する賠償はこうあるべき」と考えるところとBさんが「Aさんからの賠償はかくあるべき」と考えるところは時に衝突・対立し得るはずです。
Aさんにとっての「私のことは私が決める」はAさんにとっての正義、Bさんにとっての「私のことは私が決める」はBさんにとっての正義と言い換えることができるかもしれません。
AさんとBさんそれぞれが考える正義の衝突・対立が発生してしまった場合、そのぶつかり合いは、どのように調整され、また、いかに実現されるべきでしょうか。
まずもって考えられるのは、AさんとBさんとのお話し合いで妥結点を見い出すことです。
ここに弁護士が代理人として関わるのであれば、弁護士は、個人間の決定・ルール作りという立法行為を通じて「私のことは私が決める」の実現に一役買うことになります。
一方、AさんとBさんとのお話し合いでは解決できなかった場合、最後は裁判所(司法権)の出番です。
ただ、裁判所は、当事者から持ち込まれた具体的な事件、当事者の主張、当事者が提出する証拠を通じてしかその考える正義を示せませんから、AさんかBさんのどちらかが訴訟等を提起して、AさんBさんそれぞれが自分の考える正義について適切に主張・立証するのでなければ、裁判所は三権の一翼たる司法権を行使することができません。
ここに弁護士が代理人として関わるのであれば、弁護士は、適切な訴訟行為により裁判所の権限行使に協力することを通じて「私のことは私が決める」の実現に一役買うことになります。
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とします。
一つ一つの事件を見れば、とりわけ相手方側に就いた弁護士のやっていることなど相手方の片棒を担いだ下劣な行為にしか見えないかもしれません。
しかし、それでも弁護士はAさんの考える正義とBさんの考える正義との衝突・対立の現場で依頼者の正義の実現を目指し、訴訟外で協議がまとまらなければ裁判所を通じて依頼者の正義を実現することを目指しているのであって、結果、裁判所の考える正義が依頼者の考える正義と異なるものであったとしても裁判所の考える正義がこの世に生み出されるに必須の営みに関わっているのですから、やはりその活動の一つ一つが最終的には正義の実現に資する、つながっているものなのだと信じます。
弁護士は、個々人の間での決定・ルール作りという立法行為を通じて、また、適切な訴訟行為により裁判所の権限行使に協力することを通じて「私のことは私が決める」という1人1人の思いの実現に一役買っているのではないかと思います。
ブログをご覧の皆様、弁護士の丹羽一裕と申します。
私は、昔からプロ野球が好きで、中学生のころ、ひいきのチーム(どこかはあえて言いませんが笑)が優勝した年は、勉強そっちのけで応援して、成績がガタ落ちしました。
このときは親が呼び出されて、先生に「息子さんはどうなっているのか?」と尋ねられたらしいですが、「阪神(言ってしまいました笑)優勝で勉強が手につきませんでした。」と答えたそうです。
先生は「それは仕方ないですね。」と返事したそうです。
「先生!それでいいんですか!?もっと指導してくださいよ!!」と、今となっては思いますけれどもね。
冗談はさておき、今年はプロ野球に、新ルール「コリジョンルール」というものが採用されています。
ご存知でない方のために簡単に説明しますと、
「捕手」(大事な大事なホームベースを走者に踏まれないように守っている選手)は、
「走者」(ホームベースを踏むために一生懸命走ってくる、相手方の選手)が走ってくる道の邪魔になるようなところにいてはいけない。
というルールです。
捕手がこれに違反すると、自動的に走者がホームベースを踏んだことになります。
なぜこのようなルールができたかというと、
「ホームベースは、野球の勝ち負けを決める大事なところです!
だから捕手は、大事な大事なホームベースをどうしても走者に踏まれたくないから、走者の邪魔をしてでも守る!!
すると、走者は、大事な大事なホームベースをどうしても踏みたいから、捕手にタックルしてでも踏もうとする!!
打ち所が悪ければ捕手は大けがをしてしまう!!
こんなことはないほうがいいですよね!
ファンの皆さんも選手がけがをするところなんて見たくないですよね!」
ということからでした。
これ自体は実にまっとうなことで、「めでたし!めでたし!」・・・では終わりませんでした。
審判が、残念なことに、このルールを、形式的に、全くぶつかりそうもない時にまで、適用してしまっているからです。
なんでそうなってしまったのかなあ、と考えていると、そこは法律家、ブログのネタの一つも考えつくわけです。
弁護士含め法律家は、議論をする前に、この法律ってどんな理由でできたんだろう?と考えてから議論を始めます。
この姿勢・精神を我々はリーガルマインドと読んでいます。
これが、法律家の一番大切なところといっても過言ではありません。
しかしながら、プロ野球の審判は、当然のことながら、法律家ではありません。
このコリジョンルールは、どんな理由でできたんだろう?って考えれば、
「そうそう!捕手がけがしないようにするためだったな!」
となって、
「それなら、捕手がけがをする恐れが全くないような場合は、適用しないようにしよう!」
となるのが弁護士含め法律家の考え方なのです。
実際、このルールの形式的適用で、大事な大事なホームベースをめぐる、野球の一番の見せ場の楽しさが激減しました。
おそらく、来年には、運用が変わってくるとは思いますが、この一年間は我慢しなくてはならないようです。
スポーツ競技のルールって、もちろん競技者のためにあるのは確かですが、それを観戦して楽しむファンのためにあるのも間違いないと思います。
ファンが楽しめるってことは、特にプロスポーツにとっては肝心要の部分で、「憲法」みたいなものだと思ったりします。
上にも書いたように、私を含め多くのファンは、今のコリジョンルールの適用の仕方で、一番の見せ場の楽しさが激減してしまい、ガッカリしています。
このような状況を見ていると、
審判などの「判定者」には、もっと「リーガルマインド」が必要なのではないかなあ・・・
法律家が、スポーツ競技にもっともっとかかわっていくことができればいいなあ・・・
などと思う今日この頃でした。
長々と書いてしまいましたが、お読みになってくださった方には感謝申し上げます。
こんにちは!
はちかづき法律事務所の塩見恭平です。
本日は相談の話。
といっても,弁護士から弁護士に相談するお話です。
日々,依頼者のためにいい解決を模索して試行錯誤しているのですが,業務に関して迷いが出ることもあります。
そんな時,どうするか。
個別の事件に関する相談は,守秘義務があるので固有名詞を出すことはできません。
しかし,類型として抽象化を行い,相談することは可能ですし,判断に迷うところについてほかの弁護士の意見を聞くことはあります。
私は,現在弁護士一人(弁護士よりよほど優秀な)事務員一人で事務所を開設しております。
ですので,最終的な判断を自分のみで行い続けていると,感覚がずれていく危険があります。
そんな時に,先輩・同期・時には後輩に(守秘義務を守ったうえで)相談することで,自分と同じ発想を持っていることに安心し,自分と違う発想を学ぶことは大切だと思っています。
いろいろな方から良いところを学んで,より良い解決ができるように努力します。
選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引下げられました。
18歳以上ということは、誕生日によっては高校生も選挙権を行使することができることになります。
7月10日には参議院選挙もありました。
そこで、学校現場においても「主権者教育」が必要となってくるわけです。
この「主権者教育」。いったい何をどうやればいいのか。
とても曲者。とても難しい。
学校現場において、なかなかに先生方の悩みの種のようです。
まず、「主権者教育」とはどういうことをいうのでしょうか。
素直に読めば「主権者を育てる教育」です。
では、どんなことをすれば、「主権者教育」になるのでしょう。
「投票に行きましょう」というだけでは、足りないのはなんとなく分かります。
何をどう判断して誰に入れたらいいのかわからないのに、単に行けと言われても無理だと思います。
こうして、まじめに考えれば考えるほど、「主権者教育って何?」「主権者教育って何をすればいいのだろうか?」という大きな疑問に直面することになるのです。
さらに、学校の先生には、大きな制約があります。
それは、「政治的中立性を維持しなければならない」という原則です。
ところが、「主権者教育」というのはその性質上、生徒に対して「自分の意見を持つように色々な角度から考えよう」という側面がどうしても含まれてしまいます。
しかも、生徒に分かりやすく伝えようとすれば、今、現実に起きている問題を取り上げるのがもっともイメージがわきやすく、分かりやすいのです。
仮に、このような授業をすると、生徒たちが「先生はどんな意見なの?」という疑問を先生にぶつけることが予想されます。
その時、先生が意見を言っていいのでしょうか?
……迷います。
意見を言わないと、説得力がなくなるし……かといって、意見を言えば政治的中立性が……。
このような迷いが生じるのであれば、こうした授業はしない方がいいということになるでしょう。
でも、このような生徒に考えてもらう教育こそ「主権者教育」ではないだろうか。
学校の先生はこのような葛藤の中「主権者教育」をしなければならないという非常に難しい立場にあります。
大阪弁護士会では高校生を対象とした出張授業を行っておりました。
そして、「主権者教育」こそ法を専門的に学んだ弁護士だからこそ、生徒に伝えられることがあるはずと思って、昨年頃から、多くの弁護士が積極的にかかわり、知恵を振り絞り、生徒達にも興味を持ってもらえて、かつ、決して的を外さない「主権者教育」のための教材の作成にとりかかり、その教材をもとに「主権者教育」の授業を既に実践しております。
授業をした学校は大阪星光高校、同志社香里高校、大阪府立三国ヶ丘高校、大阪府立金岡高校、大阪府立旭高校です。
今回は、その中から大阪星光高等学校の授業の報告を紹介したいと思います。
講師は、弁護士法人中央総合法律事務所の山本 一貴(ヤマモト カズタカ)弁護士です。
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先日、大阪星光学院高校に出張授業に行ってきました。
法教育委員会の活動の一つで、いろいろな法分野に関して高校生にわかりやすく説明することになります。
今回は、なんと母校への出張でした。
「うち」はおもっきりの男子校ですので、ピチピチ感はなく、
私が当時の高校生であれば、小テストが控える7限目に弁護士がきたとなれば内職に明け暮れることを思うと
それなりの不安もありましたが、意外とみんなしっかりと授業に参加してくれました。
「主権者教育」がテーマで、選挙にも近々参加できることから興味があったのかもしれません。
「主権者教育」といってもさまざまで、内容を堅苦しくしてしまわないように、
主に主権者になる前提として、「何かを決定し、実現する過程」を生徒たちの頭で考えてもらうこととしました。主権者になる意識付けといったところでしょうか。
一つの題材として、星光学院で話題になっていた「携帯電話の持ち込みを許可するという校則」を学校側に許可してもらうためには、
どのようなプロセスを要するのか、という身近な問題に置き換えて考えてもらいました。
生徒たちは、「携帯電話を学校に持って行き使用したい」という思いはあるのですが、「なぜそれが必要なのか」「校則とするために誰を交渉の代表とするのか」
「学校側へどのような必要性や許容性、妥協点を提示できるのか」といった具体的な要素、選挙でいうなれば「公約」をどのように成立させるのか、という点はあまり意識したことがなかったようで、ポイントを指摘してみると議論も闊達なものとなりました。
若い高校生と会話をすると、若返った気分を味わえるとともに、自分が年をとったことも感じてしまいましたが、聞いてくれた生徒達がなにかしら興味をもってくれると嬉しい限りです。
まさか自分が母校の教壇に立つとは思いもしませんでしたが、当時の恩師に盛り上がっていたね、といわれほっとしました。
弁護士 山本一貴
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山本先生、ご報告ありがとうございます。
いろいろとすごく重要なことがさらっと報告されています。
いい授業であったことが伝わってきます。
そして、生徒の反応もよかったようです。
また、今回は割愛させていただきましたが、主権者教育を実施した他の学校でも「様々な意見がありとても面白い」「みんな色々な意見を持っている」等好評だったようです。
「主権者教育、はじめました。」
興味のある方は是非、一度、大阪弁護士会までお問い合わせください。
(問い合わせ先:06-6364-1681 大阪弁護士会司法課 担当松本)
大阪弁護士会では、多くの弁護士が、もっと面白い、もっと分かりやすい主権者教育授業をしようと取り組んでいます。
そこで、大阪弁護士会では、どのような主権者教育をしていけばよいのか、学校現場の先生と一緒に考えるミニシンポを下記の通り開催します。
参加費無料。事前申込不要。飛入り歓迎。
皆さま、是非ご参加ください。
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シンポジウム「弁護士と考える18歳選挙権」
日時:平成28年8月18日(木) 午後2時から
場所:大阪弁護士会
内容:立命館宇治中高校教諭杉浦真理先生による基調講演 「主権者教育に求められているもの(仮題)」
同志社香里高等学校における弁護士による主権者教育授業報告
教師と弁護士各数名によるパネルディスカッション
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まだまだ、勉強することも多く、試行錯誤を積み重ねていますが、「主権者教育」をしていきたいと思います。