私が初めて弁護士という人種と会ったのは中学3年生の時である。少年事件を起こしたわけではない。社会(公民)の授業で三権分立というものを学び、司法権は裁判所にあること、裁判は公開されていることを知り、教科書に法廷の図が書かれていたので、友達と確かめに行ってみようと、当時まだ赤レンガだった中之島の旧裁判所を見に行った。中学生でも誰にも止められることなくするりと法廷に滑り込むことができた。
そこで見たのは、お年寄りの弁護士が裁判官に向かってぼそぼそと小さな声で話している姿で、全然かっこよくなかった。しかし、無口で話が苦手だった私にとって、あ、これなら私にもできるかなと弁護士という仕事のハードルがグーンと下がったことは間違いない。
しかし、世の中そんなひねくれた子供ばかりではない。普通は、将来の仕事をイメージするとき、もっと夢と希望と憧れをもって、進路決定するのが普通だろう。
突然、話は変わるが、昔に比べて女性弁護士の数は増えたとはいえ、まだその割合は17.8%にとどまっている。将来法曹(弁護士・検察官・裁判官)を目指して勉強している法科大学院生も女性割合が30%程度なので、すぐには大きく割合が増える見込みはない。しかし、人類の半分は女性なのだから、女性弁護士の割合もそうあってほしい。
と、いうわけで、法曹を目指すリーガル女子が増えればいいなと、弁護士会は内閣府と共催で、女子中・高生を対象とした以下のシンポジウムを企画している。
開催日 11月23日午後1時から5時
場所 大阪大学 豊中キャンパス
内容 中身は盛沢山である。
まず、日本人初の国連女子差別撤廃委員会前委員長である林陽子弁護士のご講演。
その後、法曹三者のパネラーのそれぞれの仕事内容やワークライフバランスについてのパネルディスカッション。
そして、簡単な模擬裁判の実演。
その後のメイン企画は、10人程度の中・高生と現役バリバリの若手裁判官・検察官・弁護士がひざを突き合わせて、刑事、民事・労働・国際等々10のパートに分かれて、どんな仕事や生活をしているのか、やりがいや悩みについてお話しをして質問を受けるというグループセッション。
実は、昨年、東京でも同種企画があり、私も雑用係としてこのグループセッションの刑事の部に参加したが、実に、面白かった。若い女性法曹がそれぞれの立場で生き生きと仕事をしているのを聞きながら、思わずわが身を忘れて、「ああ、私も法律家になりたーい」と、まじに思ってしまった。学生さんも身を乗り出して聞いており、シンポが終わって帰っていく学生さんから「楽しかったねー」という声が聞こえてきた。
関西でもこんな企画したいよなと思い、この企画が実現したが、その準備にみんな一生懸命に取り組んでくれ、どんな出来上がりになるのか楽しみだ。
そこでお願いです。
皆さーん、このシンポをお知り合いの女子中・高生に宣伝してください。大人は一応保護者あるいは引率の先生を想定していますが、参加された娘さんに損はさせません。
法律なんて興味ないという人も、冷やかしで参加してもらったら、帰りはどうなってるか!夢と希望を持ってもらえます。
「来たれ、リーガル女子」 近日大公開です。近々、弁護士会ホームページにチラシを載せてもらえます。詳しくはそちらをご覧ください。
お問合せ:大阪弁護士会 人権課 TEL:06-6364-1227