3回目の投稿となりますが,今回は(主に大規模な災害への)「備え」について。
さて,皆様のご家庭や勤務先では,不幸にも大規模な災害が生じてしまった場合,誰がどのように行動するかを事前に決めていらっしゃるでしょうか。
また,災害によりそれまでの日常生活が(少なくとも一定期間)継続できない場合に備えて,食料等の必需品を蓄えておられますでしょうか。
振り返れば6年前に東日本大震災が,昨年には熊本地震が発生し,更に遡れば22年前には阪神・淡路大震災が発生しており,それらにとどまらず数多の災害が発生しています。
そうした災害が不幸にも発生してしまった場合,まずはご自身の安全を確保していただく必要がありますが,それが達成できたとして。
その時,皆様はどこにいらっしゃるでしょうか。
ご自宅でしょうか,勤務先でしょうか。
それとも,通勤中の電車内でしょうか,ご近所での買物中でしょうか,遠方の出張先や旅行先でしょうか。
その後,どのような行動をとられますでしょうか。
帰宅されるのでしょうか,いったん勤務先に戻られるのでしょうか,あるいは近くの避難所等に向かわれるでしょうか。
向かわれる先は,どのような状況なのでしょうか。
また,ご家族やご友人,知人や同僚の方々はご無事なのでしょうか。
そうした方々の安否は,どうやって確認できるのでしょうか。
携帯電話は使用できるのでしょうか,別の手段を用いなければならないのでしょうか,といって別の手段としてどのような手段があるのでしょうか。
大阪弁護士会には災害復興支援委員会があり,副委員長を務める私も被災された方や被災地の支援活動に微力ながら取り組んでおりますが,それは幸いにもそうした活動に取り組める状況にあるからであって,支援活動に取り組むはずの委員が被災してしまう可能性も否定できません。
その場合には逆に支援を必要とすることになるかも知れませんし,それにとどまらず,無理に帰宅をしようとすることで,更なる被害を生じてしまうおそれすらあるということに思い至りました。
例えば,多数の方が徒歩で一斉に帰宅しようとすることで歩道のみならず道路にも渋滞が発生し,救急車両の通行に支障が生じるというように。
自分は何時間でも歩けるよ,勤務先で1日くらい寝泊りすることになっても大丈夫だよ,必要なものは近くのコンビニ等で購入できるから備蓄が足りなくても何とかなるよ,と考えておられるとしたら。
私自身がそのように考えていたのですが,そうした考えは改めるべきではないかと思いました。
昨日,堺市で開催された「帰宅困難者セミナー」に参加させていただき,上記のような思いを抱きましたので,投稿させていただきます。
「備えあれば憂いなし」といいますし,一度,皆様のご家庭や勤務先での「備え」について,確認されてはいかがでしょうか。
必ずしも容易ではないとしても,①災害時の避難ルートの確認,②3日分程度の水や非常食の備置,そして,③業務上のデータの多重バックアップについては,すぐにでも取り組まないといけないと思いました。
皆様がそれぞれ「備え」をされることで,ご自身(のご家族や勤務先)の「備え」が達成されることはもちろんのこと,それにより近隣の方も含めた地域の「備え」にもなるのではないか。
昨日のセミナーに参加させていただき,そのように思った次第です。