年末年始休暇シーズンに入り、海外旅行に出かける方も多いかと思います。今日は筆者がオーストラリアで出会った面白い法律を紹介します。
オーストラリアといえばコアラですよね。コアラを抱っこしての記念撮影は、多くの旅行者が憧れるイベントではないでしょうか。
ところが、オーストラリアには、コアラの労働基準法なるものが存在し、各州ごとに「抱っこ」(労働)の時間が決まっているのです。コアラは非常にデリケートで、ストレスを最小限に抑えるための配慮だそうです。
たとえば日本人観光客に人気のケアンズ(クイーンズランド州)では、コアラの労働時間は1日30分以内と定められています。
動物園で、午前15分、午後15分の2回「出勤」するパターンが多いみたいですね。料金はひとり15AU$~程度。
3分で1組さばくとすれば、1日10組150AU$~、日本円で時給3万円弱ぐらいでしょうか。
あとは1日20時間程度眠っているのですから、何とも羨ましい職業です(笑)
と、お金の話もあるのですが、それよりも、動物に労働時間の概念がある、というのがすごいなー、というか、尊敬します。
日本では動物は民法上「物」になっていますが(85条)、あまりにも動物を軽蔑していますし、世界的に見ると時代遅れではないでしょうか。ペットショップや動物園の動物たちも相当なストレスを抱えて生きているはずです。
以前日本でも「アマミノクロウサギ」を原告にした裁判がありましたが、結局裁判所は、民事訴訟法上、ウサギを原告とは認めませんでした。民法が変わらない限りこのような判断はやむを得ないとは思いますが、これだけペットの飼育量も増えてくると、法的にも根本的な発想の転換が必要でしょう。これがひいては日本で深刻なペットの不法遺棄や殺処分問題にも影響してくるように思います。