弁護士の西塚直之です。
大学で教えていると「裁判を見に行きたいけど、どうすればいいんですか?」と学生から聞かれることがよくあります。
色んな方に裁判を、実際に見てもらうことは有益なことだと思いますので、簡単に傍聴の作法を書きたいと思います。
裁判の中には非公開の手続もありますが、基本的には公開されているので、裁判所にいけば誰でも見ることができます。
芸能人の刑事事件などマスコミがくるような有名な事件は傍聴券(抽選)が必要ですが、ほとんどの裁判では傍聴券はありません。
まずは勇気を出して、裁判所の建物に入ってみましょう。
「いらっしゃいませ」とおもてなしを受けることはありませんが、さりとて警備員から「お客様困ります」と入れさせてもらえないこともないはずです。
なお、日傘・雨傘は法廷に持ち込めないので傘立てにおきましょう。
裁判所に入ったら、1階にある「開廷表」を見ましょう。
民事・刑事の事件別(大阪の場合はさらに地裁・高裁の別)にファイルがあり、何時からどんな事件の裁判がどこの法廷で開かれるか書いてあります。
最初のうちはいかにも「裁判」という感じがする刑事事件を見ることをおすすめします。慣れてきたら民事事件をみて「ふーん」と感じるのもいいかもしれません。
法廷に入る前に携帯の電源を切りましょう。
着信音を鳴らすと退廷させられることがあります。
なお、大学で私が担当する講義でも着信音を鳴らした学生を退席させることがあります。
法廷は出入り自由なので、裁判の途中から法廷に入ることも、出ることもOKです。
コンビニではないので、「開いててよかった」などと良いながら入らないでください。また、ドアはちゃんと閉めましょう。
裁判の途中から入ると裁判官や書記官がチラッとみるかもしれませんが、睨んでいるわけではなく、彼らなりの歓迎なので気にしないでください。
とはいえ、傍聴に慣れるまでは、開廷時間に間に合うようにいくといいでしょう。
法廷・法廷前の廊下では御静かに願います。とはいえ傍聴中寝ていると退廷させられることがあります。
メモを取ることは自由ですが、録画・録音・写真撮影は禁止されています。
法廷内は飲食禁止なので喉の渇きにご注意ください。
色々書きましたが、結局のところ法廷への出入りは自由で、静かに傍聴していただければ何の問題もないということです。
一度といわず、何度でも傍聴してください。
傍聴について大阪地裁のリンクを貼りますので御参考になさってください。