といっても、実際の法廷のことではなく、
ゲームの中でのお話です。
このフレーズでピンとくる方もいらっしゃるとかも知れませんが、「逆転裁判」というゲームをご存じでしょうか。
簡単に言いますと、
プレイヤーは弁護士となり、無実の罪を着せられた依頼人を救っていく、というゲームです。
ゲームの流れは、
「探偵パート」で裁判のための証拠を集め、
「法廷パート」で証人を尋問しながら、真実導いていく、
という感じです(ミステリィ的要素あり)。
で、主人公の決めぜりふが「異議あり!」なのです。
ゲームでの「異議あり!」は、矛盾する証言をした証人に、当事者が突っ込みをいれるという感じで使われます。
しかし、法律用語としての「異議」には色々な意味があるものの、
刑事訴訟法第309条第1項は「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる」と規定しており、実際の刑事裁判の法廷では、例えば、主尋問で違法な誘導尋問が行われた場合、「異議」を申し立て、裁判所の決定を求めるという形で使われます。
他にも、実際の裁判と違うところはたくさんあります(ゲームですからね)。
ゲームでは、裁判長は、法廷で木槌を持って訴訟指揮をしていますが、
実際の裁判で、裁判長は、法廷で木槌を持っていることはありません。
また、
ゲームの設定では、
犯罪が増加したため、刑事裁判は、まず被告人の有罪無罪を3日以内に決定し、その後、別の手続で量刑を審理するとなっていますが、
現実の日本の裁判は、このような制度にはなっておらず、有罪無罪と量刑は、同じ裁判手続の中で審理されます。
もっとも、
ゲームの設定である罪責の認定と量刑手続とを分離させるという考えは、実際に「手続二分論」として、日本での導入が議論されることもあります。
このように、実際の裁判とは違うところもたくさんあるのですが、ゲームでは、自分が尋問をしているような気分も味わえ、裁判手続を身近に感じることができると思います(ゲームと言えば、大阪弁護士会でも裁判員ゲームがありますね)。
「逆転裁判」は、ゲームということで、若い方に、かなり認知されているようです。
出張授業に行かせてもらった高校でも、生徒さんに「弁護士のイメージは?」と尋ねると、即座に「逆転裁判!」という答えが返ってきたほどでした。
自宅で「逆転裁判」のゲームをしていると、プライベートの場でも裁判か!と言われてしまったこともあり、本職の弁護士の方は、やりにくいですかねぇ?
でも、ゲームとしても面白いですし、
「本物の裁判はこんなん違うわ!」と、ツッコミ入れながらやってみるのも一興かと。
なぜこんな話題をしたか、と言いますと、もうすぐ新作が発売されるからです(本日現在まで4作が出ておりますので、5作目です)。
購入するかどうかも決めていませんが、
ブログを書くことになり、いつか書こうと思っていたネタが書けたので、満足です。