はじめまして。新たに若手ブロガーの一員に加わりました、稲谷徳子です。
駆け出しの弁護士として、また、いやいや期真っ盛りの2歳の男の子の母として、毎日睡眠不足の日々を送っております。
私は今大阪弁護士会の子どもの権利委員会に所属し、弁護士として、また母として、一人でも多くの子どもを幸せにしたいと思いながら活動しています。そこで、このブログでは、子どもを取り巻く法的環境や、社会的環境に接して感じたことを綴ってみたいと思います。とはいえ、弁護士としても母親としてもまだまだ新米ですので、それほど含蓄のあることが書けるわけではないのですが。
第一回目の今回は、児童自立支援施設である大阪府立修徳学院の讃母の式典と、その後の園遊会に参加した時のことを書いてみようと思います。
お話の前提として、児童自立支援施設について説明しようと思います。児童自立支援施設とは、対象となる少年を入所させ、生活上の指導を行い、その自立を支援することを目的とする、児童福祉法上に定められた児童福祉施設の一つです。主に小学生高学年くらいから中学生くらいの子どもたちが入所しており、入所経緯は様々ですが、少年自身が抱える問題のためだけではなく、家族のことで課題を抱えて入所する少年もいます。修徳では、お父さんとお母さんの役割を果たす寮父さん・寮母さんのもと、親元を離れた子ども達が男女別の集団(1寮10人くらい)で生活指導をうけながら、施設内にある学校に通って規律を身につけています。
讃母の式典は、ちょうど母の日に行われます。施設で生活を送っている生徒達が、修徳に入って自分たちの身の回りのこと(洗濯・掃除・皿洗いなど)を自分たち自身の力でするようになって、自分の母や家族に対して思ったことなどを、詩や短歌、作文の形で創作し、家族の前で一人ずつ発表していきます。
母の日らしく、保護者への花束贈呈も行われます。
作品の内容は様々ですが、親に迷惑をかけたことを自ら振り返る真摯な反省の気持ち、親の辛さ大変さを思いやるものや、面会にきてくれることの感謝の気持ち、今まで素直にいえなかったありがとうの気持ちをやっと言葉にできたということ、家に帰ったら親孝行したいという気持ちなどが表現されていて、思わず切なくなってしまう作品がたくさんありました。ここで発表された作品は「みかえり」という文集に掲載され、配布もされていますので、皆さんも手に取る機会があれば、是非読んでみて下さい。
讃母の式典のあとは、先生方が手作りされるうどんやおそば、たこせんなどの屋台が出て、600円で全ての屋台が楽しめるという超お得なお祭りが始まります。舞台で出し物をしたり、学院内に生け花の作品を展示していたりもして文化祭のようです。
私は、修習生のころにも一度、修徳学院に来たことがあり、今回で2度目の訪問になります。その時は、通常の学院生活を一緒に体験したのですが、前回とは違い、生徒達は、久しぶりに家族と再会した喜びやお祭りの雰囲気で、表情が明るく、とても楽しそうで、笑顔でいるのがとても印象的でした。また、以前別の施設で少年を担当していた先生方も出席しておられ、かつての自分の生徒が修徳で頑張っていって欲しいと励ます姿も見られました。生徒全員の保護者が参加できているわけではないですが、こうした子どもたちの笑顔を見て、今後も家族で笑顔が取り戻せるように頑張って活動していきたいなと思いました。
みなさんも見学する機会があれば訪ねてみるとよいかもしれませんね。