はじめまして。北野英彦と申します。
私は弁護士会の交通事故委員会に所属しておりまして、日頃より交通事故被害者を救済する制度の充実に寄与するための活動を行っております。
そこで、今回は交通事故の被害者と加害者との話し合いの間に中立・公平な立場の弁護士が入り、示談の成立を手助けしてくれる「示談あっせん」制度を紹介したいと思います。
交通事故の案件では、被害者側と加害者側の間で起きている治療費や慰謝料などの賠償問題を話し合って解決することになるのですが、この話し合いがうまくいかないことも多々あります。
そんなときはどうすればよいのか?
もちろん、最後の最後は裁判所で訴訟をするわけですが、「裁判所に行くのはちょっと・・・」「どんな手続きをすればよいかわからない・・・」という方もいらっしゃることでしょう。
そんな場合、日弁連交通事故相談センターが運営する「示談あっせん」制度を利用することで、賠償問題が早期に解決することがあります。
(日弁連交通事故相談センター 示談あっせんのURL)
http://www.n-tacc.or.jp/solution/assen.html
この示談あっせんは、交通事故の被害者と加害者の間に弁護士が入り、中立・公平な立場で双方から意見を聴取し、示談成立に向けた話し合いを進めていくことで解決を図っていく手続きです。
申し込み手続きは、各地域の相談所で面接相談を受けて頂くことで始まりますので、申し込みの書類もそれほど難しくありませんし、申立手数料は無料です(ちなみに、大阪ですと大阪弁護士会館以外にもなんば、門真、茨木、岸和田、堺、豊中など各所でこの面接相談を受けて頂くことができます。詳しくは上記URLをご参照ください。)。
また、弁護士に依頼せずに当事者ご本人の方が手続きを行われることもあります。
私の個人的な経験から言いますと、おおむね2~4回のあっせん期日を行う(期間にして2~3ヶ月)ことで示談が成立する(もしくは決裂する)ことが多く、裁判よりも早期に解決する印象があります。
ただ、すべての交通事故がこの示談あっせんで解決するわけではありません。たとえば、過失割合に大きな争いがある事案はこの示談あっせんの中で解決することは難しいでしょう。
この示談あっせんが広く利用されることで、少しでも交通事故問題が早期解決することを願っております。