もう1ヶ月以上前のことになりますが、去る2月28日、「大阪私学生徒指導連盟と大阪弁護士会子どもの権利委員会との協議会」が開催されました。
大阪私学生徒指導連盟は、大阪府の私立の中学・高等学校の生徒指導に携わる先生方によって構成される、生徒指導に関する情報交換や研究に取り組んでおられる団体です。
私が所属する子どもの権利委員会(その中でも学校部会)では、大阪私学生徒指導連盟と年1回協議会を行っており、学校問題に関してそれぞれが行っている研究について発表し、意見交換を行っています。
その協議会が今回は記念すべき第30回ということで、例年と趣向を変え、この30年の歩みを振り返る講演と、生活指導上の事例に関するグループディスカッション・パネルディスカッションという形式で行われたのでした。
現在では、私学生徒指導連盟と子どもの権利委員会の関係は極めて良好で、教師と弁護士がざっくばらんに活発な意見交換をしているのですが、講演によると、協議会発足当初は、教師側と弁護士側の考え方の対立が鋭く、協議会のあとの懇親会は険悪な雰囲気で行われていたほどであったそうです。
ところが、平成9年に、私学生徒指導連盟と弁護士有志の会が共同で、日本たばこ産業株式会社に対してたばこの自動販売機の撤去や広告の禁止等を求める要望書を提出したことをきっかけに、互いの考え方に理解を深めるようになり、現在のような良好な関係の活発な協議会へ変わっていったということでした。
グループディスカッション・パネルディスカッションでは、教師と弁護士から、それぞれ違った視点からの意見が出されました。
このように異なる視点を持つ人たちが集まって意見を交換するということは、問題に対する理解を深め、より柔軟な解決を目指すためには、必要不可欠なのだとと感じます。
この協議会が対立関係から始まり、回を重ねて協調関係に至ったことがそのことを象徴しているように思いました。
近頃は、弁護士が学校問題についての相談を受けたり、いじめ事案についての第三者委員会委員として活動したりすることが多くなっています。
このような意見交換を通じて、学校問題に対する弁護士としての視野も広げて行かなければならないなと感じた次第です。
なお、かなり先の話ではありますが、子どもの権利委員会では、本年11月に、学校・教員と保護者との関係の在り方に関するシンポジウムを開催予定です。
学校の先生方との意見交換を通じて研究を深め、その結果を皆様にお披露目できればと考えております。