最近、高齢化社会がかなり進んできだからでしょうか、相続に関する相談を受ける機会が非常に多くなっています。
その中でも特に「おひとりさま」、つまり、結婚をされていないか、されたとしても結婚相手と死別したり離婚された方で、お子様もいらっしゃらない方からの相談を非常に多く受けます。
よく受ける相談としては、「おひとりさま」本人が亡くなったとき、自分の財産を、生前にお世話になった方だとか、生まれ育った都道府県や市町村などの地方公共団体だったり、難病の子供を支援する病院とか障害者福祉施設といった特定の団体に寄付したいけど、どうすればいいか、といった内容です。
実は、「おひとりさま」が亡くなった場合、何も相続対策をしなければ、まずは両親や祖父母といった方(直系尊属といいます。)が相続人資格者となります。
ところが、これらの方が既にお亡くなりになっているケースがほとんどだと思いますので、通常は「おひとりさま」の兄弟姉妹、さらに、兄弟姉妹がお亡くなりになっている場合には、その方のお子様も相続人となります。そのため、相続人が10人以上となることもよくあります。
このような場合、一般的に、まずは、誰かまとめ役となる人が、全ての相続人に連絡して、遺産の分け方を協議することになると思います。
ところが、そもそも連絡先が分からない人が出てきたり、連絡先が分かったとしても、亡くなった方との縁が薄いために関与したくないといった人が出てきたりします。
さらに、相続人のうち誰か一人でも遺産の分け方に反対すれば、やむを得ず、裁判所で手続きせざるを得なくなり、解決するまで数年間もかかったりすることがありえます。
これでは、「おひとりさま」の相続人に対して、多大な負担をかけることになりかねません。
では、どうすれば、そのような事態を回避することが出来るのでしょうか。
一番簡単なのは、「おひとりさま」本人が遺言書を作成することです。
全ての文章を自筆で書くことや、氏名・日付の記入、本人の印鑑を押すこと(実印が望ましいでしょう。)等、法律で決められた内容を守れば、本人でも遺言書を作成できます。
ただし、遺言書の具体的な記載内容については注意が必要です。
例えば、読み方によっては2通り以上の考え方があり得るなど、相続人間で誤解を招くような文章が書かれていたり、具体的な財産の分け方を書かずに単に財産の分け方の割合だけを書いたりした場合などには、かえって紛争の原因となることもあります。
したがって、「おひとりさま」が遺産の具体的な分け方についてある程度決めたら、一度は弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士への具体的な相談方法ですが、まずは少し話を聞きたいということであれば、20分限定ではありますが、大阪弁護士会で電話での無料法律相談を行っています。
http://soudan.osakaben.or.jp/center/igon/01/index.html
電話番号は、06-6364―1205番です。
月曜日から金曜日までの平日午前9時から正午、また、午後1時から午後5時まで受け付けております。
遺言・相続分野を重点的に取り扱っている弁護士が相談を受けますので、まずはお気軽にお電話下さい。