取っ手と車輪が付いているキャリーバッグは,出張や旅行の時にとても重宝します。ところが,キャリーバッグは使い方に気を付けなければ他人にぶつけてしまうこともある上に,ぶつけてしまった時には,荷物が詰まっているキャリーバッグが重たいので大ケガにつながる恐れがあるようです。そのため,国民生活センターも注意喚起(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091202_1.html)を行っていますが,それでもキャリーバッグを曳いていた者と歩行者との事故が多く発生しているようです。昨日発行された判例雑誌(判例時報・平成27年10月21日号)にも,そのような事故に関する裁判例が掲載されていました(東京地判平成27年4月24日)。
この裁判例では,キャリーバッグを曳く者は,「曳いているキャリーバッグが他の歩行者の歩行を妨げたり,それに躓いて転倒させることがないよう注意すべき義務を負う」と示されていて,私も含めキャリーバッグを使う者としては,気を付けたいものです。
国民生活センターは,キャリーバッグを曳く者に対して,大要,以下の点に注意するよう呼びかけています。
・ キャリーバッグが長い物であることを自覚すること
・ 人通りの多い場所では曳かずに手で持つか,曳く場合であっても自分の近くで曳くこと
・ 段差のある場所では手を離さないこと