ある会合での席のこと。
「あなたが子どもの頃、憧れていた夢の職業は何ですか?」と聞かれた方が、「弁護士になりたかったです。今は全く違う職業ですが。」と答えられている場面に遭遇しました。
申し訳ございません、私、今は弁護士をしておりますが、思春期・青春期に弁護士になりたいとは露とも思っておりませんでした。
思春期・青春期の頃、ひっそりと私が温めていた夢がありました。
それは、「物書き」になることです。
小説家、脚本家などなど。
クリエイティブな文才がないにも関わらず、憧れておりました。
あまりにも無謀なので、誰にも言わず、ひっそりと、ノートに作品を書いては、懸賞に出し、落選をする。そんな繰り返しをしておりました。
たった一度ですが、佳作を頂戴して有頂天になったりもしておりました。
そして、「リーガルハイ」法律監修の際には、クリエイティブな世界との間接的な関わりを通して、昔の夢を思い出したりもしておりました。
で、そんな私の周りに「本物の」「物書き」が現れました。
まずは、万城目学さん。中学校・高校時の同級生ですが、「鴨川ホルモー」「プリンセストヨトミ」などの著書で、一躍、今や売れっ子小説家になられております。ただただ驚嘆するばかりです。
そして、最近、またもや現れました。
顧問先の会社の部長さんが小説をお書きになられて、なんと、出版までされました。
近藤五郎さんです。時代小説をお書きになられました。
「なにわ万華鏡-堂島商人控え書」(富士見新時代小説文庫)
http://www.kadokawa.co.jp/product/321411000025/
幕末の動乱期の大坂を舞台に、大鳥圭介、福沢諭吉などの歴史上の人物も登場させながら、大坂商人の矜持を描いている小説です。
内容もとても惹きつけられるものとなっており、仕事をしながら、ここまで書かれたことに本当に感嘆するばかりです。
さて、思春期・青春期に憧れていた職業ではありませんが(クライアントの皆さん、先ほどの会合でお答えになられた方、ごめんなさい)、夢を叶えられている方々との交流の中で、私は、そんな方々に恥ずかしくないよう、弁護士として、しっかりと精進せねばならないなと思う日々です。