ある知人から仕事で役立つアプリ(iOS向け)を教えて欲しいと以前聞かれたことがありましたので,この機会にまとめたいと思います。
①e六法
弁護士といえば六法は必需品です。
他の六法アプリも使いましたが,よく使う法律のショートカットが作れることや,動きが軽快であること,検索も比較的しやすいことなどから,このアプリがもっとも使いやすいです。
しかも無料です。
②iAnnotate PDF
PDF化した資料に線を引いたり,注釈を付けたりするときに,個人的に一番使いやすいのがこのアプリです。
僕は,このアプリで特許公報などを管理しています。
次に紹介するGoodNotesと異なり,このアプリで付けた注釈やコメントをPC上でアクロバットを利用して修正できることがメリットと言えます。
ワードとパワーポイントをPDFにコンバートする機能もついており,他のアプリと比べて,レイアウトがずれることが少ない点もこのアプリの良い点です。
③GoodNotes
ラインマーカー機能がiAnnotate PDFより優れています。
ラインマーカーを引いたところを絶妙のバランスで透明化し,ラインマーカーの下の文字が読めなくなるのを防いでくれます。
また,ズームウインドウ機能が優れているため,手書きで文字を入力するときには②のアプリよりこちらのアプリのほうが使いやすいと言えます。
ただし,上述のように,このアプリで付けた注釈やコメントをアクロバットで直接編集することができないという点,PDFへのコンバートのときにレイアウトがずれる点がデメリットです。
④Book+
iPhoneやiPod touchなどの,画面が小さな端末でPDFを閲覧するときに使いやすいのがこのアプリです。
自動で白紙部分(余白部分)を削除し,読みやすいサイズに拡大してくれる機能が使いやすく,さくさく動きますのでストレスフリーでPDFの閲覧ができます。
⑤Evernote
守秘義務のある情報をオンラインにアップするわけにはいきませんので(二段階認証があるといっても万全ではありませんので),僕は,主に日々の業務の中で勉強したことや,読んだ判例のまとめをEvernoteにまとめるようにしています。
例えば,「進歩性」というノートブック・スタックを作成し,その中に,「動機付け」や「阻害要因」といったノートブックを作成し,そして,各ノートブックの中に,その項目に関する判例を貼り付けたノートや,勉強によって知り得た知見をまとめたノートを作成するという使い方をしています。
司法試験受験生であれば,各論点の論証をまとめたノートを作成し,同じ分野に関連するものをノートブックで管理すると良いと思います。
また,Evernote Web Clipperというアプリを利用して,仕事でよく閲覧するウェブサイトをEvernoteに保存することもしています。
⑥PostEver
このアプリは,Evernote上に,「PostEver」というノートブックを作成し,このアプリで送信した文章が,そのノートブック内の送信日付名のノートに送信時間と共に保存される点が特徴です。
具体的にいうと,11月13日の午後1時に「▲▲」という文章を送信した場合,「PostEver」というノートブック内の「2013/11/13」というノート内に,「▲▲ 13:00」と保存されます。
このアプリは,メモ帳としても使いやすいアプリですが,各ノートが日付毎に自動で作成されていきますので日記として使うのがとてもよいと思います。
僕は,自分がしてしまったミスや,先輩方から受けた注意,日々の業務の中で考えたことなどを送信して保存して,ある程度保存されたノートがたまった段階でまとめて読んで,同じ過ちを犯さないように注意喚起するためのアプリとして使用しています。
⑦CamCard
名刺管理アプリも色々使いましたが,OCR機能の性能が比較的よく,保存されたデータを利用しやすかったのがこのアプリです。
アプリ自体にロックをかけられるので,必要最小限度のセキュリティ機能も備えています。
⑧Voice Recorder HD
会議や講義などの録音に役立つのがこのアプリです。
音質もクリアですし,追加の拡張機能を購入すれば,倍速再生やトリミングも可能となります。
保存された音声データはiTunesを経由してMP3形式でPCに取り込むことができますので,音声データのみPCで保存・利用することができます。
⑨AudioNote
このアプリは録音機能とテキストエディターが合体したアプリです。
例えば,録音開始から25分10秒時点で,「●●」とテキストエディターで打ち込んだとします。打ち込んだ「●●」は,このアプリ上のテキストデータとして保存されます。その後,「●●」と打ち込んだ前後の録音データを聞きたいと思った場合には,このアプリのテキストデータに保存されている「●●」という部分をタッチします。そうしますと,「●●」と打ち込んだ時点,すなわち,録音から25分10秒の箇所の録音データが再生されます。
簡単にいえば,録音データとテキストデータが紐付けされた状態となって保存されていること,これがこのアプリの最大の特徴です。
ただし,このアプリは,録音データだけを取り出してPCで保存することができませんので,録音データのみをPCに保存したいという方には向かないアプリです。
⑩CamScanner
カメラで撮影した画像をPDF化してくれるソフトです。
手書きで書いたメモなどを電子データ化するときや,白板を電子データ化するときに重宝します。
⑪HoursTracker
タイムチャージ管理をするならこのアプリが使いやすいでしょう。
1時間のチャージ料の設定や,1日にどの事件に何時間何分使ったか,各事件ごとに使った時間の総計などが分かりやすく表示されます。
僕の独断と偏見でお奨めアプリを紹介させて頂きました。
お役に立てれば幸いです。