司法試験の合格発表があり,この11月下旬から,修習期間がはじまります。
これから,多くの修習生の心を悩ませるのは「今後の進路」ではないでしょうか。
司法試験合格者が増え,司法試験合格者の就職難が新聞等でも報道されています。
今日は,司法試験合格者の就職難の理由と実態について書こうと思います。
但し,私の個人的な印象に過ぎないことをご了承ください。
司法試験合格者の進路は,裁判官,検察官,弁護士の3つに分かれます。
このうち,裁判官・検察官は,任官を希望する司法修習生のうち,一定の基準(司法研修所の成績が良いこと等)をクリアした人がなります。
弁護士になることを希望した人や,裁判官・検察官になることを希望したが基準をクリアしなかった人は,弁護士として法曹としての第一歩を踏み出すべく,弁護士事務所への就職活動を行います。
しかし,最近では,弁護士事務所への就職活動が,ものすごく高いハードルになっているのです。
(私は,司法試験より就職活動の方が精神的にきつかったです。)
なぜ,弁護士登録を希望する者が弁護士事務所に就職することが難しいのか。
色々と理由は考えられますが,私なりに今思いつくのは,以下のような理由です。
①弁護士には定年がなく,新しく弁護士になる人が,現役を退く弁護士に比べて圧倒的に多いこと。
②多くの事件は,1~3人程度の弁護士で対応でき,マンパワーで解決できる仕事が少ないこと。
③弁護士は知識と経験が必要となる仕事であり,一人前の弁護士と成長させるまでに非常に時間がかかること。
そのため,事務所としても,新人の採用は数年おきにならざるを得ないようです。
そこに,今般,司法試験合格者数が大幅に増え,
結果,司法試験合格者を弁護士事務所が吸収できず,
1人の採用枠に100人,200人が応募する状況を生み出すことになりました。
最近では,有名大学,有名法科大学院を卒業しても,希望の弁護士事務所に就職できない人が増えてきたような印象があります。
弁護士の就職難を解消する方法が何なのか,まだ私の中でも結論が出ていません。