飛行機には年に10回以上乗るであろうか。でも,できることなら乗りたくない。理由は単純,落ちてしまわないか不安だからである。
酒を飲んで飛行機に乗り込み,すぐに眠ってしまえばいいのだが,仕事の時はそういうわけにはいかない。なぜ,巨大な鉄の塊に,あれだけの人と物を乗せて空に浮くのか,まったく不可解である。
その理由が分かれば不安が解消されるのではと考え,飛行機に関する本を買って読んでみた。「よくわかる最新飛行機の基本と仕組み(第2版)」という本である。
飛行機が空に舞い上がるためには,ジェットエンジンと翼が必要とのことである(ここは理解できる)。翼は,進行方向に対して上向きの角度(「迎え角」)がついており,翼の後方から斜め後方に噴出される気流の反作用によって,翼は上向きの力を得ている。
翼の形状は,上面がふくらんでいて,下面が平らになっており,翼の上面と下面の形状の違いから,翼の上面の空気が下面よりも若干早く流れ,これにより,流れる空気の圧力差が生じ,上向きの力(「揚力」)が生じるとのことである。揚力は翼面積と速度の2乗に比例するようである。
JALのHPによれば,ボーイング747の翼の面積は約500㎡,テニスコート約2面分,飛行機の重量は約350トンであるところ,翼の面積1c㎡あたり70gの圧力差が生じれば飛行機が飛べるとのこと。
よし,なんとなく理論は分かった。これで不安は解消されたに違いない。そう意気込んで,先週,福岡行きの飛行機に乗りこんだ。
しかし,ガタッと揺れた瞬間,もとどおり。生きた心地がしないまま,なんとか福岡到着。
理論じゃなくて,生理的,感覚的なものなのですね。暗示にかけてもらう必要があるかもしれません。