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Channel: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿
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ネット上に覚えのない中傷 不動産の仕事に影響-<法律のツボ>

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名誉毀損で被害届、告訴も

 

 

Q.私は不動産店を経営しているのですが、インターネットの掲示板に「暴力団と親交がある店」と全く身に覚えのない中傷をされて困っています。

最近は嫌がらせ電話もかかってくる次第です。取引先からも不審がられており、このままでは仕事に響いてしまいます。どうしたらよいのでしょうか。

 

 

A.暴力団と関わりがあるとのうわさが広がれば、社会的信用を失い、取引を拒否されるなど経営に重大な打撃を受けてしまいます。従って、今回のネット掲示板への書き込みは名誉毀損罪に該当します。

 

嫌がらせの電話も威力業務妨害罪に当たる可能性があります。仕事に深刻な影響が出ている場合は、警察への被害届の提出や刑事告訴を検討すべきでしょう。

 

被害拡大を防ぐため、まずは掲示板の管理者に書き込みの削除や公開停止(送信防止措置)を求めてください。更に、書き込んだ人物を特定して警告書を送ったり、損害賠償を請求したりすることも重要です。

 

書き込んだ人の住所や氏名を割り出すには、プロバイダー責任制限法4条に基づく手続きを踏む必要があります。

 

手順は①掲示板の管理者に対して発信者情報の開示を請求し、書き込みが発信されたIPアドレスの開示を受ける②IPアドレスから契約しているプロバイダー事業者を特定する③その事業者に発信者情報開示請求をし、書き込んだ人物の氏名や住所などの開示を受ける――というものになります。

 

しかし、掲示板の管理者やプロバイダー事業者は、送信防止措置や発信者情報開示の請求に応じないケースが多いです。このため、裁判所への提訴や仮処分の申し立てをせざるを得ないことも珍しくありません。早期解決のためには、弁護士へご依頼いただくことをお勧めします。

 

 

              〈回答・川添圭弁護士(大阪弁護士会所属)〉

             2013年11月16日 毎日新聞大阪版朝刊掲載


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