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Channel: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿
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「子宮頸がんワクチン薬害」について勉強しました!

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大阪弁護士会広報室の加藤慶子です。

 

 

 

当広報室は,定期的に司法記者クラブとの交流の場を持っており,
毎回著名な弁護士のゲストを記者と広報室とで囲む「居酒屋広報室」や
弁護士会からの広報関係を伝える「司法記者クラブとの昼食会」,
昨今話題の法律改正・社会問題について
短時間でその途のプロフェッショナルの弁護士から
お得に学べる勉強会「なるほど広報室」などを開催しています。

 

今月は,なるほど広報室を開催しました。

 

前回の第4回「なるほど広報室」では,
壇俊光弁護士を講師として,「忘れられる権利」を学びました。
前回の記事はこちら

 

 

​なるほど広報室・第5回目は,
 「子宮頸がんワクチン被害について
~HPVワクチンとは何物なのか~」をテーマとした
 勉強会を行いました。

 

講師は,HPVワクチン薬害訴訟弁護団
山西美明弁護士,松井俊輔弁護士,幸長裕美弁護士、
田積祥子弁護士,青砥洋司弁護士,
野口啓暁弁護士,甲斐みなみ弁護士,
山西里沙弁護士(順不同)

 

といった複数の講師陣から手厚い解説をいただきました。
司法記者の方々の参加も多く,関心の高さがうかがえました。

 

 

 

 

 

まず,HPV感染から子宮頸がんになる仕組み,
子宮頸がんとなる可能性という基礎知識から解説があり,
それを踏まえて,
新規性の高いHPVワクチンの特徴と危険性の解説,
被害者に出た副反応とその因果関係をめぐる論争,

などなど,専門的なトピックスでありながら,
非常にかみ砕いて分かりやすい解説がありました。

 

 

 

WHOの「推奨」の声明と,
厚生労働省の「積極的推奨中止」の状態の対比が

大変興味深いものでした。

 

 

そして,厚生労働省が,積極的推奨中止に至るまでには,
​「ワクチン接種緊急促進事業」が展開されていたことに
衝撃を受けました。

 

その時代に,小学校6年生から高校1年生の女子の

約8割が接種していた,ということでした。
接種したのは,338万人に上るとのことです。

 

地方自治体によっては,「中学入学お祝いワクチン」のキャッチコピーで
​「子宮頸がんから命を守るワクチンをプレゼント」
といううたい文句で広告を出していました。

そして,慎重な親でも,保健所等に問い合わせれば,
「今予防ワクチンを打たないと,助成を受けることができませんよ。」
​との説明がされていました。

 

 

 

 

このような国及び地方自治体の推進があり,
当時の親は,予防ワクチン接種を受けないという選択が
やりにくかっただろうな,ということを思い,

 

そして,もしそれで自分の娘に重篤な
自己免疫性の神経障害・自己炎症の症状等の副反応が出ていたら,
親はやり切れない気持ちになるだろう,どんな怒りをもつだろう,
と思わずにはいれませんでした。

 

 

 

​子宮頸がん薬害訴訟の意義の高さが,
短時間で理解できました。

 

懇親会では,多くの薬害訴訟で代理人を務めている弁護士の方から,
HIV訴訟のこと,C型肝炎訴訟のこと等を,
子宮頸がん薬害訴訟と対比しながら,お話を聞きました。

 

​私の無知をさらすようでお恥ずかしい限りなのですが,

 

特に,HIV訴訟については,
1996 年 3 月 29 日に被告国,製薬企業との和解を勝ち取ってから,
今年で20 周年を迎える今でも,
被害者のサポートが続いていることに感動しました。

 

弁護団の方々は,今もケース会議に同席して,
一人ひとりの被害者が困っていることを聞き,
それを直に病院,政府等に直訴するという取り組みを
重ねているとのことでした。

 

また,今年,「薬害エイズ」の被害者を支援するため,
厚生労働省が「血友病薬害被害者手帳」を作ったことを聞き,
これが,東京,大阪薬害HIV訴訟原告団が
2011年,細川律夫厚労相(当時)との協議で,
手帳の作成を要望していたことが形となったものであることにも感動しました。

 

和解から20年も経つと,
と行政機関の中に「薬害エイズ」のことを知らない人も出てくる。
そこで,この手帳により,被害者の方々は,この手帳を示せば,
窓口で説明する負担が減るというのがこの手帳の狙いです。

 

弁護団の方は,

 

「被害者の方は,年を重ねるごとにニーズが変化していく。
それに対応していく世の中の仕組みつくりを目指しており,
薬害訴訟は,その一つの手段(達成点ではない)。」

 

という姿勢で薬害訴訟に取り組んでおり,
それを「当然のことだ」という顔で語ってくれました。

 

この話を聞いて,本当に社会的意義の高い活動をされている,
と胸が熱くなりました。

 

子宮頸がん薬害弁護団の方々,
本当にありがとうございました!!


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