平成28年1月16日(土)に、映画『みんなの学校』上映会&トークセッションを行いました。
総来場者数はなんと286名で、来場者の半数以上が、教職員関係の方々でした。
映画『みんなの学校』は、大阪市住吉区の大阪市立大空小学校における、教師や地域が一体となって、不登校ゼロを目指して取り組む姿を映したドキュメンタリー映画です。
大空小学校は、特別支援学級を作らず、様々な生徒が共に一つのクラスで学習しています。
授業中に教室を歩き回る子、学校からすぐに抜け出そうとする子、いつも朝寝坊をする子、友達に暴力をふるってしまう子…
それぞれの生徒には様々な背景がありますが、子ども達自身がそれぞれを支え合い、そしてそこから大人も学び、教師や地域が一体となって子どもを見守る姿が描かれています。
トークセッションでは、映画『みんなの学校』監督の真鍋俊永さん、大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子さんを迎え、コーディネーターとして大阪弁護士会の西原和彦会員が登壇しました。
大空小学校では、騒がしい教室の中でも、子ども達は自然に授業に集中しています。
そのような教育を始めた目的について、木村初代校長は、「静かな環境が学校である」と決めつけると、子どもが将来多様性のある社会では生きていけず、むしろ、その社会や自分のニーズに合わない人を否定する大人になってしまうと述べます。
そこで、例えば、自分のクラスの子が授業中に教室から走り出した時には、子ども達には、「自分の空間に大人がいるときは気にせず集中しい。もし大人がいない時には走っていった子を気にしてあげたらいい。それはその子が何かを発信していることだから。」と伝えているそうです。
いろんなトラブルがあるのは当たり前で、そういう時こそ、即『学びの場』とする。
一人一人の子どもがありのままに学べる『学びの場』を作ることが大事。
そして、大人は、子どもから学ぶ『学びの専門家』にならなければならないとのことでした。
ちなみに、大空小学校の全国学力状況調査の結果は、いわゆる特別支援を必要とするとされる生徒がいないクラスが最も悪く、
むしろ、映画の中でも映っていた生徒がいるクラスの結果が最も良かったとのことでした(なんとトップの県を上回るほど!)。
分からないところは分からないと言える、そんな環境が結果に表れたのかもしれません。
「もし、教室を走り出した子が自分の子どもだったら」と、みんなが考えたら、『みんなの学校』は一秒後にも出来る。
そう、木村初代校長は述べていました。
最初に言いましたが、映画『みんなの学校』は、ドキュメンタリー映画です。つまりノンフィクション。
普通の市立の小学校の話です。
きっと、本当は、誰もが実現可能なことなんだと思います。
私は、教員でもなければ、母親でもなく、ただの弁護士ですが、今回のお話を聞いて、いつも相手の気持ちに立ってみて、その状況から学んで自分も成長しなければならないなと改めて感じました。
木村初代校長と真鍋監督のお話をお聞きでき、本当に良かったです。
貴重な機会をいただき、どうもありがとうございました!