万博記念競技場は、Jリーグが開幕した1993年からガンバ大阪のホームスタジアムとして、数々の名勝負が繰り広げられてきました。しかし、市立吹田サッカースタジアムの完成に伴い、万博記念競技場は、今シーズンでJリーグ開幕から22年の歴史に幕を閉じることになりました。
去る平成27年11月22年、万博記念競技場でJリーグセカンドステージ最終節、ガンバ大阪対モンテディオ山形との試合がありました。その試合後に、ガンバ大阪の現役選手とガンバ大阪OBによる「ありがとう万博」セレモニーが開催されました。その「ありがとう万博」セレモニーに、私はガンバ大阪OB選手として招待していただき、参加してきました。ガンバ大阪OBには、元日本代表キャプテンの宮本恒靖氏をはじめ多くの名選手が出席されていました。最終節のモンテディオ山形戦は、ガンバ大阪が4-0で完勝し、チャンピオンシリーズへ進出したこともあり、万博記念競技場はすごい盛り上がりを見せていました。興奮冷めやらぬ雰囲気の中、「ありがとう万博」セレモニーが開始され、万博記念競技場に詰めかけた多くのサポーターが、そのセレモニーを見守ってくれました。
私は、約20年ぶりに万博記念競技場のピッチの上に立ち、ピッチから私の現役当時と変わらない万博競技場の独特の雰囲気を感じることができました。セレモニーの後、全員で競技場を一周した際に、ゴール裏の熱狂的なガンバサポーターから「八十!八十!」と名前をコールしてもらった時は、何とも言えない感情が湧き上がってきました。万博記念競技場は、私が、Jリーグが開幕した1993年にガンバ大阪に入団して、ガンバ大阪の一員として初めて練習を行った場所でした。来シーズンからヴィッセル神戸に移籍することが決まっていたために、1994年のJリーグ最終節ジェフユナイテッド千葉戦の万博記念競技場が、私がガンバ大阪のユニフォームを着て最後にプレーをした場所となりました。ガンバ大阪に在籍した2年間は、思い通りにいかないことが多く、苦しいことの方が多かったですが、万博記念競技場は、独特の雰囲気とサポーターの熱狂的な応援で、気持ちが高揚し、持っている力以上のものを引き出してくれる特別な場所でした。
来シーズンは、ガンバ大阪のホームスタジアムは、万博記念競技場から市立吹田サッカースタジアムへ引き継がれていきます。少し寂しい気持ちもありますが、来シーズン以降、この市立吹田サッカースタジアムで数々の名勝負が繰り広げられることを期待して、今後も、ガンバ大阪OBとして、ガンバ大阪を応援していこうと思っています。