7月3日、講演会「出願経過の参酌~弁理士・弁護士それぞれの視点から~」が開催されました。
大阪弁護士会 知的財産委員会の永田貴久弁護士からの報告です。
平成27年7月3日午後2時から午後5時10分まで,大阪弁護士会館2階大会議室にて,大阪弁護士会,日本弁理士会近畿支部の共催により,「出願経過の参酌~弁理士・弁護士それぞれの視点から」が開催されました。
当日は,前後半に分け岩坪哲弁護士,竹下明男弁理士より,弁護士と弁理士それぞれの視点から出願経過の参酌について講演いただきました。
前半は,岩坪弁護士から出願経過の参酌(包袋禁反言)について,主に権利行使の段階においてクレーム解釈に与える影響につき講演いただきました。まず, 代表的な裁判例を踏まえた一般論の説明があり,その後,餅事件を題材として出願経過とクレームの拡大解釈の検討,ボールスプライン軸受事件やペン型注射器 事件等を題材に包袋禁反言と均等論の関係の検討,連続壁体製造方法事件等を題材に無効審判・審決取消訴訟での陳述と包袋禁反言の関係の検討,最後にテレホ ンカード事件等を題材に分割出願と包袋禁反言との関係の検討をご講演いただきました。
後半は,竹下弁理士より主に権利化段階における対応,具体的には権利化後に不利とならないような記載・主張をどのように行うかについて講演いただきまし た。出願代理人として技術的意義の主張につき,記載しないことも記載しすぎることも問題があるという事を審査基準や複数の裁判例をふまえ講演いただき,そ の他,未知の例に備えた記載や意見書等における表現について留意点をご説明いただきました。
講演会当日には弁護士及び弁理士,139名の方にご参加頂き盛況のうちに終わりました。