読者のみなさん、こんにちは。
弁護士の西塚直之です。
私自身、電話勧誘や訪問勧誘がとても嫌いです。迷惑このうえないと思っています。
家でくつろいでいるときにインターホン鳴らされたときの不快感と言ったら。。。
私みたいな考えは少数派かと思っていたら、先日、消費者庁が行った「消費者の訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識調査」の結果が公表され、回答者のうち訪問勧誘で96.2%、電話勧誘で96.4%が、今後、勧誘を「全く受けたくない」と答えたそうです。
有効回答数が2000人ですので、「日本人の一部がそう言っているにすぎない。」と強弁することは許されない数字です。
日本では、電話勧誘や訪問勧誘について再勧誘の禁止はありますが、そもそも勧誘を規制する法律はありません。
しかし、海外では電話勧誘や訪問勧誘について規制する制度があります。
Do Not Call(電話勧誘禁止)制度、Do Not Knock(訪問勧誘禁止)制度というものです。
Do Not Call制度を簡単に説明すると、
①電話勧誘を全面禁止にしたうえで、勧誘しても差し支えないと意思表示をした人のみに電話勧誘を行える形式(オプトイン型)
②電話勧誘自体は禁止しないが、電話勧誘を望まないと登録した人に対しては電話勧誘をしない形式(オプトアウト型)
の2つのパターンがあります。
この制度は、アメリカ、イギリス、韓国など多くの国が導入しており、日本は遅れている分野です。
(国民生活2015年6月号16頁以下に、大阪弁護士会の薬袋真司先生が詳細な説明をされています。)
Do Not Knock制度は、事前の拒絶の表示(たとえば玄関にステッカーを貼る)を無視した勧誘を禁止し、違反した場合には行政処分・罰則の対象となるものです。オーストラリアやアメリカなどで導入されています。
私は、3月に、機会を頂いて、調査団の一員としてオーストラリアとシンガポールを訪問してDo Not Call制度について現地調査をしました。
私が驚いたことは、この制度が企業のコスト削減につながることもあってか企業の受け止め方が肯定的であったこと、日本に比べて消費者の権利を守るという意識が強い(根付いている)ことでした。
電話勧誘や訪問勧誘は消費者被害の温床になっています。
勧誘を受けることを積極的に承諾した人以外については、勧誘してはならない、そんな制度が諸外国同様、日本にも導入されたら、消費者被害は格段に減るのではないでしょうか。
他の国ができて日本ができないわけがありません。
1日も早く導入して欲しいと思いながら帰国しました。
今回は少し硬めのブログになってしまいました。
それでは、また(^-^)。