インターネットのニュースサイトで確認された方も多いと思いますが,
弁護士&マスコミの間でも本日話題になっていた判決がありました。
それは,判決は昨年4月に出されたもののようですが,
「銀座のクラブのママのいわゆる『枕営業』は,
客の妻に対する不法行為となるのか・・・」
という点について,
各種報道によると,
東京地方裁判所が「売春と同様、商売として性交渉をしたに過ぎず,
結婚生活の平和を害さない」と判断し,
妻の賠償請求を退ける判決を出した,
というもののことです。
この判決は,果たしてどうなのでしょうか・・・
たくさん突っ込みたくなる部分があります。
例えば,「売春と同様」というくだりについては,
売春防止法があるわけですし,
売春は明確な違法行為です。
そうでありながら,この判決の一文からは,
売春が容認されているような印象を受けます。
また,クラブのママと夫との「枕営業」は,
一般的にはそれ自体許されないと考える妻の方が多いと思われます。
しかも,報道されている判決文の内容からすれば,
けっこうな長期間にわたって,けっこうな頻度で
「枕営業」が行われていたものと認定されており,
これは許容され難いと考えると思う方が多いのではないでしょうか。
報道によると,裁判の期日が2回で打ち切られているようですが,
このこと自体が,通常とは異質であることを物語っています・・・。
私たちの裁判所に対する信頼からすれば,
争いのある事件で,当事者の尋問をせずに終わるということは
通常はあり得ないという感覚です。
そうすると,もしかすると,
報道されている内容は,ごく一部しかきりとっておらず,
表には出てこない,そうなってしまう別のもっとすごい事情が
あったのかもしれないと勘ぐってしまいます。
いずれにせよ,結論からすれば,
判決文を読んでみたいと思うわけです。