政府は,起業する人に年間650万円の生活費を最長2年間支給する制度を今年度中に始める,と報道されています。
私は,弁護士として,起業した人やこれから起業しようとする人と知り合うことがよくあるのですが,上のニュースに対する,既に起業した人の反応の多くは,「自分でリスクをとる覚悟のない人が起業なんかしても成功するわけがない」というものです。
確かにそうかもしれない,と思う反面,家庭の事情などにより,収入がゼロになるリスクはとれないけれども,優れたアイデアと,そのアイデアを実行に移す行動力を持っている人というのも,世の中に一定数存在するのではないかと思います。
そういう人にチャンスを与える制度というのも,起業を促進するための多様な施策の1つとしてであれば,存在してもいいのではないかと,私は思います。支給のためのハードルをあまりに低く設定すると,「なんちゃって起業家」みたいな人が増えて,税金の無駄遣いと言われてしまうでしょうが,上記制度は,報道によれば,まず15社程度からスタートするようですから,その心配はなさそうです。
起業する際には,そもそものビジネスモデルの適法性が不安であるとか,投資契約の内容が分かりにくいといった,法律面でのサポートに対するニーズは,決して少なくないと思いますが,起業しようとする人に,必要な時にいつでも相談できる法律の専門家がいるというケースは,まだまだ少ないのではないかと思います。
とりあえず,起業家の方から信頼を得られるよう専門知識の習得に励む一方で,敷居が高いと思われないような,弁護士側からのアピールも必要だと考え,事務所を飛び出して積極的に人と会うようにしています。
その一環として,たとえば,「コーヒーミーティング」や「肉会」といったサービスに登録しており,これらを通じてお会いする場合は,弁護士費用を請求するようなことはしていませんので,もし興味を持った方がいらっしゃれば,お気軽にミーティングなり肉会の申請をして頂ければと思います。